「つまり、この組織は小渕氏の“集金マシン”として機能していたのです。今回の観劇疑惑はこの団体が主体的に開催していたものだが、父親から受け継いだ組織だけに、小渕事務所もその管理が野放図になっていたことが、騒動勃発の真相なのです」(同)
もっとも、小渕氏にかかる疑惑はこれだけではない。
「例えば、'09年に発覚した『公用車談合事件』では、独占禁止法違反で10社に計30億円の課徴金が課せられたが、小渕事務所はそのうちの1社である『日本道路興運』から'00年〜'04年の間に204万円の献金を受け、同社社長からも100万円の献金を受け取っていた。指摘を受けた小渕事務所は慌てて返金手続きをとって騒動は収束したが、実は、彼女にはカネにまつわる疑惑が絶えないのです」(テレビ局編集委員)
一方、前述通り小渕元首相がらみの銭ゲバ疑惑も絶えない状況で、そのいい例が“NTTドコモ疑惑”なのだ。民主党関係者が言う。
「以前、株の30%を小渕一族が持つ『上毛通信サービス』というポケベル会社が群馬県内にあったが、同社はドコモに吸収され、小渕氏が首相になるとほぼ同時期にドコモが上場した。これが原因で600万円相当だった小渕一族の所有株が、一気に70億円になったといわれているのです。当時、民主党内にはこの疑惑追及チームができたほどで、小渕元首相の金庫番が、別の人物が持つドコモ株を巧みに手に入れたのではという疑惑も噴出。訴訟や告発騒ぎが起きたほどなのです」
また、これとは別に中国を舞台にした巧みな錬金術も取り沙汰されている。
語るのは自民党の中堅議員だ。
「小渕元首相は'99年に訪中した際、同国農村部の砂漠化が深刻なことを知り、100億円の国費を投じて『日本緑化交流基金』−−通称“小渕基金”を創設した。その基金を元に中国では毎年数千万円から億単位の植樹が行われているが、この事業収支は闇に閉ざされたまま。そのため、自民党内にも基金の裏で中国からのキックバックがあるのでは? との穿った話がずっと流れていたのです」
ちなみに、小渕経産相は『日中緑化推進議員連盟』の事務局長として何度も中国を訪れ、緑化事業に関わってきた経緯がある。そのため、この疑惑を今も引き継いでいるのである。