同社は九州を本拠地とするRKB毎日放送の株を買い占め、現在その株を67万株まで買い増しし、第3位の大株主として食い込んでいる。
「すでに『麻生』は子会社で人材派遣会社『アソウ・ヒューマニーセンター』のスタッフを送り込み、派遣社員数の9割を占めるほどです」(テレビ業界関係者)
そこで、今度はキー局に焦点を移した模様。すでに東京には“先兵”が着任、内々に経営状況などの調査を進めているようだ。
『麻生』が送り込んでいるのは麻生副総理の長男、将豊(まさひろ)氏、28歳。
『エクストーン』なる会社のオーナーで『ニコニコ動画』の市場調査、企画、開発、保守業務などを担当している。
もう一人が麻生巌(いわお)氏、39歳。麻生副総理の甥で『麻生』全体の社長。『ニコニコ動画』の親会社『ドワンゴ』の取締役でもある。2人の経歴は次の通りだ。
●麻生将豊氏=慶応幼稚舎からずっと慶応で慶応大卒。米ミズリー州ウィリアム・ジュエル・カレッジにも留学経験がある。細身、長身で、さわやかなイケメン。
●麻生巌氏=こちらも慶応幼稚舎から慶応大までの慶応ボーイ。大学卒業後、2010年に社員数2000名の『麻生』社長に就いた。オールバックの髪型のせいか実際の年齢より年上に見える。眼光鋭く根っからの商人だ。
この2人が『麻生』のテレビ局株買い増し、もしくは買収計画のキーマンである。
『麻生』は昨年12月に、手始めに老舗出版社『ぎょうせい』を買収。金額は300億円以上とされる。
「霞が関にもっとも食い込んでいた出版社で本社は銀座。そのせいか『麻生』は現東京支社のある千代田区九段から、テレビ局支社が多く、世界的な広告代理店である『電通』が近い銀座に本社を移すと囁かれています」(業界事情通)
そして、次の標的にしているのがキー局であるという。
「親会社のないTBSを欲しがっています。株買い占めには金はかかるが、グループ全体が潤うのが狙い」(九州財界筋)
麻生一族の“野望”は、とどまるところを知らない。