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永田町血風録 ずさんミサイル防衛で麻生首相解散に二の足

 攻める側の民主党、守る側の自民党。この攻防が桜のこの時季、4月になって「まさしく攻守ところを変え」た。
 ようやく自民党の支持率がわずかばかりだが上昇。あれほど高支持率だった民主党。千葉県知事選で自民党の一部が推した森田健作が、民主党などの推した他の候補者たちに圧倒的な強さで勝った。
 「これからは、今、首相の麻生(太郎)が国会を解散して総選挙を行っても、民主党には勝つと思う」と自民党内には、こういう考えが広がり、一気に総選挙モードになっている。ほんの1カ月ほど前には民主党が「国会を解散して国民に信を問え」と小沢一郎はじめ鳩山由紀夫、菅直人ら民主党の主力は口を開けば、「解散、総選挙」を口走っていた。
 ところが民主党の関心が少しずつ薄らぎ始めた。そこへ北朝鮮のミサイル(飛翔体)発射だ。
 「どうも共産主義や社会主義というのは人間にとっては利益はないのだ。北朝鮮のミサイル発射について、民主党内にも、この北朝鮮のむちゃな言動を礼賛する人もいるから、国民感情はますます離反してしまっています。選挙をやるなら、今です」(政界アナリスト)
 だから自民党の国会議員たちは自分の選挙区へ帰り、総選挙の準備に取りかかっている。

 公明党代表・太田昭宏は、「東京には東京の問題設定がある。東京都議選と衆院選が重なることは望ましくないという姿勢は全く変わっていない」と述べて、このことを麻生にも伝えたという。
 ちなみに東京都議選(7月12日投開票)と衆院選は切り離して行うべきだ、と再三再四、太田は麻生に申し入れている。
 これには公明党の支援者である創価学会の信者との深いかかわりがあるから、麻生はこの太田の発言に耳を傾けてはいるが、望ましい解散・総選挙の時期について麻生は「選挙で勝てるという現況をどう生むかである。それを考えると、その時期に関しては、いろいろな諸問題をクリアしてからでないといけないだろう」となかなか腰を上げない。
 この麻生の立ち居振る舞いに与野党とも「解散かそうでないか、はっきりさせてもらいたい」と首相官邸にお百度を踏む議員も多い。
 ただ麻生は北朝鮮のミサイル発射に、日本の“国防”があまりにもずさんで2度にわたって誤報を発信したことで躊躇(ちゅうちょ)があるようだ。
 「こんな危機管理のない国家では、もし国会を解散したら、『あの体たらくでよくも…』と笑われるのがオチ。麻生はもう一度、内閣をすべてのことで建て直して、そして本当に国民に信頼されるような様子がうかがえたら、一気に解散・総選挙と。そんなふうに考えている」と麻生の性格をよく知る別の政界アナリストは語っているが…。(文中敬称略)

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