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桜宮高バスケ主将体罰自殺事件 大阪・橋下市長がボコボコに糾弾する 市教育委員会の隠ぺい体質(2)

 ところが、その後の調査で「体罰はなかった」との結果が出され、結局、真相究明はウヤムヤ。これが原因で事件後、父兄の間からは学校側に対する痛烈な批判が殺到しているのだ。
 「あのときもっと真剣に問題を総括しておけば、男子生徒も死なずにすんだはず。熱血指導と言えば聞こえはいいが、こうした体罰指導は、昨年11月にバレー部でも起きていた。体罰容認と、それを隠ぺいする学校の体質を、許すわけにはいかないのです」(ある父兄)

 もっとも、事件の遠因には、スポーツ強豪校の指導者たちが置かれた状況が影響しているとの見方もある。というのも、その重圧は並大抵のものではなく、一部ではA教諭自身も、かなり追い詰められていたとの話が浮上しているからだ。
 「桜宮のバスケ部は全国でもトップクラス。彼は、常に理想のリーダーとして脚光を浴びており。勝てば学校に報奨金が出ていたという話もある。チームを弱くできないというプレッシャーが、相当あったと見られているのです」(同僚教師)

 また、同校のOBは今の教育現場の実情をこう語る。
 「A先生ぐらいのスター教師になると、天下り先まで用意されているのが普通。そして、このおこぼれにあやかろうとするコバンザメみたいな先生が周りにいる。そうした輩が、よってたかって熱血指導者たちを追い詰めているのです」

 だが、そうは言ってもそこから見えてくるのは、昨年起きた大津市のいじめ事件と同じ構図だ。生徒そっちのけの教師の保身と、学校ぐるみの隠蔽体質に他ならない。
 そのためか、事件を重く見た橋下徹大阪市長は「最悪の事態」とカンカンで、近く直轄の究明委員会を組織して、徹底的に調査に乗り出す構えを見せ始めた。一部では、「今後、持論の教育委員会改革論に弾みが付く」と見られているのだ。

 ジャーナリストの大谷昭宏氏はこう指摘する。
 「今の教育現場を見る限り、いくら新しい組織を作ってもダメ。体罰やイジメを見逃したら組織としてどうなるか、発見した場合はどう対処すべきか、その辺の基準をキチンと確立するべき。組織を作り直すより、組織の体質改善の方が先なのです。それと、いじめにしろ、体罰にしろ、暴力は刑事事件として処理しなければ、生徒や父兄の信頼は守れない。大人の都合で子供の命が失われる。こんな悲劇はもうたくさんですよ」

 学校の主役はあくまで生徒。それが犠牲になるようであれば、そんな学校はいらない。

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