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球団の身売りもある!? この秋ヤクルトを待つ命運 ダノンTOB敢行か ホワイトナイト登場か(1)

 深まる秋とともに、ヤクルト本社と筆頭株主であるフランスの大手食品会社、ダノンとの攻防戦が一気にヒートアップしそうだ。まだ大手メディアはダンマリを決め込んでいるが、市場筋は「ダノンがTOB(株式公開買い付け)を敢行してヤクルトの丸呑みを図る。これを阻止すべく、どこがホワイトナイトとなって登場するのか」と熱い視線を送っているのだ。

 当然、舞台裏はキナ臭い。両社のにらみ合いが久々に注目を集めたのは今年の4月末だった。2000年4月にヤクルト株の5%を取得して以来、同社株を20%まで買い増したダノンは、ヤクルトと海外事業などで業務提携する一方、'04年3月に5年間の買い増しを凍結する契約を結んだ。'07年5月には“休戦協定”として出資比率を引き上げない期間を2012年までに変更。今年の5月15日にその契約が期限切れを迎えたことから、ダノンは出資比率を28%まで高めたいとヤクルトに打診。ところが同社は応じず6月20日の株主総会も“無風”で終わった経緯がある。
 「ダノンが突き付けた28%は控えめな数字で、本音は重要事項に拒否権を行使できる3分の1以上の株式取得です。事実上の乗っ取りだからヤクルトが応じるわけがない。そこで28%出資で探りを入れたのですが、ヤクルトが首を縦に振らないまま期限切れになった。これ自体、ダノンは織り込み済みで、買い増しを提案した時点で“次への布石”を打ったフシがある。シタタカ外資の面目躍如で、全く油断も隙もありません」(ヤクルト関係者)

 どういうことなのか。関係者が続ける。
 「実は、両社が取り交わした休戦協定ともいうべき契約書には、今年の5月16日以降1年間は契約の変更や打ち切り終了を提案できるだけでなく、買い増し提案がなされた場合は、契約期限から6カ月以内に合意しなければ契約を打ち切れるとのただし書きがある。従って11月15日以降、ダノンは誰はばかることなく、ヤクルトへの買収を仕掛ける権利を持つことになる。TOBでの乗っ取りが現実味を帯びてきますから堀澄也会長−根岸孝成社長コンビは、さぞ生きた心地がしないでしょう」

 そんな風雲急を告げる“秋の陣”到来を早くも織り込んだのか、険悪な日中関係を背景に株式市場が急速に冷え込んでいるにもかかわらず、年初来高値を更新しそうなほどヤクルトの株価は独り気を吐いている。
 それにしても、なぜダノンはヤクルトが買い増し提案を拒否した時点で敵対的TOBに打って出なかったのか。市場関係者は、その理由を「もし米国流の荒業を駆使すれば企業イメージが低下する。それよりは契約に沿って粛々と行動を起こせば乗っ取りのイメージが薄らぎ、今後の世界戦略に余計な波風が立たないだろうと踏んだに違いない」と指摘する。すなわち、乳製品の『ダノンビオ』『プチダノン』や世界的ミネラルウオーターの『エビアン』などで売上高が2兆円を超え、資金力で勝る同社一流の美学との見立てである。

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