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清宮幸太郎超え! 夏の甲子園で急成長したドラフト候補(2)

 また、岡崎スカウト部長がよく口に出すのが、西浦颯大(明徳義塾)と増田珠(横浜)の2人。西浦はすでにU-15ジャパン入りも果たしている。U-15の当時の監督は鹿取義隆・巨人GMだった。2回戦で前橋育英に敗れたが、9回に1点を返す適時打を放っており、「土壇場でも動じない精神力」に巨人関係者は“成長”を確信した。
 「増田は1回戦で散ったが、三盗も決めています。俊足強肩、センター中心の素直な打撃スタイル、どれをとっても一級品だが、『プロ一本』と進路を明言しているので、清宮、安田から増田に切り換える球団も出てくるでしょう」(ベテラン記者)

 巨人とオリックスは、ドラフト指名の重複を嫌う。巨人はスカウト部長を岡崎氏に代えたので変更してくるかもしれないが、DeNAの吉田孝司スカウト部長は「いい選手になっちゃったなあ」と、11日の秀岳館戦後にコメントしていた。地元・横浜の高校ということで「早くから密着してきた」と言いたかったのだろう。
 増田は1年途中で故障したため、懐疑的なスカウトもいたが、三盗まで決めた野球センスで、一気に1位候補に躍り出たようだ。

 甲子園のネット裏ではこんな光景も見られた。
 「聞いてる?」
 スカウト同士、情報を交換するわけだが、やはり清宮の動向が気になるようだった。9月1日からのU-18大会に招集されるのは間違いないが、プロ入りか進学か、いまだ進路を明確にしていないからだ。
 「ソフトバンクは複数体制でU-18大会の行われるカナダに向かうことが確認されました。『王会長の後輩』ということで、清宮指名に鬼気迫るものを感じる」(球界関係者)
 8月6日、清宮は小学校時代をすごした北砂リトルのグラウンドに突然現れ、子どもや父母たちを驚かせた。スカウトは振りまわされているようだが、当人は子どものような笑顔で少年野球を見入っていた。

 「大阪桐蔭の徳山壮磨も評価を高めた1人。早くから注目されていましたが、今夏の甲子園では『試合を作れる右腕』と言われるようになりました。オリックス、中日、楽天、西武などはエース候補として指名に臨むようです」(同)

 盛岡大付・平松竜也投手の評価も高い。「岩手のパワーピッチャー」として知られていたが、特にヤクルトの小川淳司SDは熱い視線を送っていた。
 「1回はともかく、9回に143キロが表示された。縦、横のスライダー、カーブといった変化球でも腕が振れ、死球もあったが、インサイドで空振りを取れていた」と評し、こうも語った。
 「岩手県の決勝から10日間ノースローで、この日(9日の作新学院戦)136球を投げ切った肩の状態はどうなのかな。春のセンバツ前に(肩を)傷め、完治しても不安は残るもので、それが9三振、9四死球になって表れた」
 この発言は地方予選から見守ってきた証明だ。

 リップサービスの場でここまで具体的に話をするのは珍しいが、惚れ込んでいる投手だからだろう。その小川SDが独自の観点で「逸材」と評しているのが、前橋育英・丸山和郁外野手だ。もともとは投手だったが、2回戦の明徳義塾戦の9回二死、エースの皆川喬涼が連打を浴びると、カウント2ボールからの“緊急登板”を命じられた。暑さで丸山も足をつっていたが、小川SDはその足に早くから着目していた。
 「打席から一塁ベースを駆け抜けるスピードが4秒を切っているんです」(前出・ベテラン記者)
 他球団は貴重な左投手と見ているが、ヤクルトは野手として指名してきそうだ。

 「捕手の逸材がもう1人、います」(在京スカウト)
 日本文理の背番号9・川村啓真だ。川村は右投左打、1年時に同校の4番を任された強打者で、「捕手で1番」で登場することもある“俊足捕手”としても知られていた。一部のスカウトは「地方大会の数字」とし、高い打率を少し疑ってきたが、「課題だった変化球にも対応できるようになった」と、他の多くのスカウトが成長を認めていた。
 鳴門渦潮戦で3安打5打点1本塁打。捕手で再スタートさせるか、野手で育てるべきか…。各チームは中村指名に失敗した場合も想定し、村上以下、成長著しい選手に迷い始めている。

 清宮のいない甲子園はスカウトに「他選手」を見る時間を存分に与えた。

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