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仁王立ちの貴乃花はその後低迷 稀勢の里“強行出場”の後遺症はいかに?

 事実は小説より奇なり!
 奇跡は目の前で起きた。新横綱稀勢の里(30)二場所連覇の瞬間だった。それも大負傷の身体で…。

 「もう一度ちゃんと調べる。本人は出たいだろうが、まずはしっかり治さないと」
 師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)は、4月2日から始まる春巡業を休場し、当面は治療に専念させると話した。
 大相撲春場所で劇的な2場所連続2度目の優勝を果たした横綱稀勢の里が、左上腕部の筋損傷で加療1カ月と診断されたことが3月29日、日本相撲協会関係者の話で分かった。

 大盛況のうちに幕を閉じた大相撲春場所(エディオンアリーナ大阪)は、千秋楽に誰も予想しなかった“感動ドラマ”が飛び出した。
 新横綱稀勢の里は、同じ横綱白鵬(32)が5日目から休場するなどの展開にも恵まれ、序盤から独走状態。誰もが稀勢の里の15日制になって4人目となる「新横綱優勝間違いなし」と思った矢先、一寸先は闇を地で行くようなアクシデントに見舞われた。13日目の取組で、日馬富士の目の覚めるような速攻に圧倒された稀勢の里は、土俵下に転げ落ちた際に左肩を痛めたのだ。
 「どこをどの程度、痛めたのか。場所中だったので、本人も師匠も、堅く口を閉ざして明かしませんでしたが、かなり重傷だったのは確か。痛めた瞬間、右手で左肩をかばい、隣にいた片男波審判(元関脇玉春日)に倒れ掛かったほどでした。支度部屋に引き上げる途中も痛みに顔をしかめ、唸り声も上げていました。そのまま救急車で病院に運ばれ、『これで稀勢の里の優勝は消えた』と誰もが思いました」(担当記者)

 ところがその翌日、稀勢の里は休場を促す師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)を振り切り、会場に姿を現した。たいした根性だ。
 傷めた左肩には幾重にもテーピングが施されており、さすがにこの日は腕がまったく使えず、鶴竜に完敗。照ノ富士に星一つリードされて迎えた千秋楽の直接対決も「勝負にはなるまい」と誰もが思ったはずだ。

 しかし、ここで信じられないような奇跡が起こった。本割、優勝決定戦と、稀勢の里が肩の痛みをこらえながら連勝。見事な大逆転で2場所連続の優勝をもぎとったのだ。
 「稀勢の里が勝った瞬間、場内は総立ちですよ。歓声が鳴りやまず、八角理事長も、『たいしたもんだよ。これは今後に語り継がれる優勝だ』と声を震わせていました」(大相撲関係者)

 これで稀勢の里は歴史に残る横綱に昇格した。
 ただ、心配なのはこの強行出場の後遺症だ。平成13年夏場所で、右ひざの大ケガを押して出場し、優勝決定戦を制して感動を呼んだ貴乃花は、そのあと7場所も連続して休場。その後2度と優勝できなかった。
 稀勢の里は、「夏場所で元気な姿を皆さんに見せられるよう、明日から治療に専念する」と話したが、無事に復活できるだろうか。テーピングの下はどす黒い痣が痛々しく広がっていた。それを隠しての千秋楽の二番にはただただ頭が下がる。

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