アジア金融危機に備えるのであれば、広域の通貨交換システムを作るしか方法はない。しかし、こうした通貨交換スワップは強力な通貨があって初めて成り立つもの。現在、アジア最強の通貨は円だ。中国共産党は人民元の方が強いと思っているが、通貨は自由かつ大量に交換できなければ強いとは言えない。
「人民元は中国政府が恣意的に管理しているため自由度が低く、かつ交換できる額も限られているからイザというときの使い勝手が非常に悪い。だから、日本円こそが、もしアジア通貨危機が起きた場合に事態を収拾できる通貨になり得るのです。中国としては、日本を引き入れることによってアジア版通貨スワップ協定を作ろうとしているのでしょう」(金融アナリスト)
中国メディアによると設立は7月だという。中国からは中国工商銀行など四大国有商業銀行や証券・保険会社が参加し、日本の3大メガバンクも招待されている。もっとも、準備会合の参加者が必ず創設メンバーになるわけではない。
「日本と米国が参加しなかったAIIB(アジアインフラ投資銀行)の二番煎じです。AIIBは当初、日本と米国の信用をバックに世界中から投資資金を集め、それを中国の息のかかった国々のインフラ整備に使い、“果実”は中国企業がいただきという虫のいいもくろみでしたが、信用度ゼロのAIIBでは投資家から資金を集めることができず、現在は開店休業のような状況になっています」(同)
同協会も日本が参加しないと機能しないのは目に見えている。要するに、中国は日本の資金だけを目当てにしてカネを日本に出させ、運用は中国が行うというミエミエの悪巧みをしているわけだ。
大風呂敷を広げたはいいが包む物がないとは、相変わらず滑稽な国である。