訴状によると、男性は07年3月に入社し、荷物管理や顧客のクレーム対応などを担当。恒常的にサービス残業をさせられストレスがたまった。09年11月以降、退職届を3度提出したが会社側は受理しなかった。
男性はその後、うつ病を患い、10年12月末に、県内のキャンプ場で硫化水素を発生させ自殺した。遺書には「毎日12時間以上働かせ、サービス残業を強要した。私を殺した会社に復しゅうする」などと書かれていたという。
今年4月に、男性は労働基準監督署から過労自殺として、労災認定を受けており、自殺とサービス残業との因果関係は明らか。
両親は、男性がタイムカードを実際の帰宅より早い時間に押させられて、日常的にサービス残業を強制されたと主張。たまらず、退職願を3回提出したにもかかわらず、受理を拒まれたとしている。労基署は自殺した月の時間外労働を、約98時間と認定していた。
男性の母親は提訴後、「労災認定後も、会社は一貫してサービス残業はないとの対応。会社側はサービス残業の実態を認めず、反省していない。息子に謝罪してほしい」と話した。
同社総務部広報課は「規定に基づき、適切に対応を取ってきた。提訴については訴状を確認していないため、コメントできない」としている。
(蔵元英二)