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ダイオウイカ水揚げ、チリ沖地震… 巨大地震5月が危ない「深海の異変」(2)

 では、日本のどこで巨大地震が発生するのか。
 前出の木村氏はずばり、小笠原諸島から房総沖の間の“地震の空白域”が危ないと指摘している。

 伊豆・小笠原海溝は東日本大震災を起こした日本海溝とつながっている。そのストレスは3・11で解放されたが、伊豆・小笠原海溝の周辺は依然ストレスが溜まった状態。それどころか、同海域のひずみは増加しており、西ノ島の火山活動も巨大地震の前兆現象だというのである。
 「1960年以前は、あの海域で頻繁にM7クラスの地震が記録されていたが、それ以降は木村氏が言うように地震活動が止まった“空白域”となっている。つまり、いつ地殻変動が起きても不思議ではない状態なのです」(同)

 一方、巨大地震を予感させる不気味な現象として、深海魚のダイオウイカの水揚げが指摘されている。
 3月12日には、神奈川県横須賀市沖の東京湾で、全長約3.6メートル、重さ24キロのダイオウイカが捕獲された。ダイオウイカはすぐに死んだが、三浦市の水族館『京急油壺マリンパーク』によると、横須賀市の走水港沖の東京湾で、ワカメ漁をしていた地元の漁師が海面に浮いている巨大なイカに気付き、素手で捕獲したという。

 ダイオウイカは、今年に入ってから新潟県や富山県などの日本海で相次いで見つかっているが、東京湾で捕獲されるのは非常に珍しいことだという。
 「深海魚のダイオウイカが浅瀬で捕獲された。なぜこのような行動をとるのか、生物学会ではいまだ未解明です。しかし、当然ながら海底100メートルより深い所は真っ暗で、目が見えない代わりに微弱な振動や電流に敏感に反応することは考えられる。東京湾の入口は深海の相模湾に続いていおり、そこで起きつつある何らかの異変をキャッチしたとも考えられます」(前出・島村氏)

 実は、東日本大震災の前にも、地震の予兆ともいえる宏観異常現象が起こっていたという。
 「地震発生の2週間ほど前、大洗海岸と九十九里浜にクジラが大量に打ち上げられたのです。ニュージーランド地震の前にも大量のイルカが打ち上げられていました。誰にも合理的な説明はできませんが、海底の異変を超音波で感じているのかもしれません」(サイエンスライター)

 ちなみに、三浦半島の先端である城ケ島沖では、城ヶ島の西側から南側の沖にかけて約3キロの範囲で1.9〜6.3メートルの海底隆起が確認されているという。3・11の直後にも三崎港の海底が30センチ隆起している。そのような状況を見ても、海底で異変が起きている可能性は高そうだ。

 ここまで来ると、巨大地震が発生する条件がすっかり出揃った感のある日本。いったいどのような被害が予想されるのか。
 「私が予想している海域で巨大地震が発生した場合、太平洋側の陸地の地震動はさほどでないでしょう。問題は津波です。当然10メートル以上の高さの津波が発生するでしょうが、それ以上になるかもしれません。南海トラフ巨大地震の対策は盛んに叫ばれているので関東以西は津波対策をしていると思いますが、一方で琉球列島、南西諸島などの離島はまったくのノーガード。それが心配です」(前出・木村氏)

 参考までに言えば、前出のアラスカ地震では、アラスカ州シャウプ湾で67・1メートルという想像を絶する巨大津波を観測している。国が発表している南海トラフ巨大地震の被害想定の死者数は32万人。しかし、同じような巨大津波が発生すれば、それどころでは済まない事態に陥るだろう。
 しかし、太平洋を中心にしたスケールで起きる地殻変動だけに、可能性がゼロとは言い切れない状況なのだ。

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