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リストラ技術者の救世主か 家電業界で孤軍奮闘の『アイリスオーヤマ』

 かつて世界中を席巻した日本の家電業界。しかし、長引く不況でその栄華は見る影もなくなった。特に大阪に本社を置くシャープは、来年3月決算が4500億円もの赤字見通しで、約3000人もの希望退職者が押し寄せた。同じくパナソニックも本年度は過去最悪の損出を計上し、来年3月までに1万人規模の人員を削減する予定だという。

 そんな中、孤軍奮闘している企業がある。生活用品大手のアイリスオーヤマ(仙台市)だ。ペット用品販売で有名な会社だが、それが大阪の家電メーカーとどんな関係が? と思う人も多いだろう。しかし、そこには異業種メーカーが虎視眈々と狙う思惑があった。
 「アイリスは、12月の9、16日に大阪で採用説明会を開いたんです。狙いは関西の大手家電メーカーを退職した技術者。もともと2007年に家電業界に参入していたのですが、販売している製品はシュレッダーやコーヒーメーカーなどがメーンでした。しかし、参入した以上は洗濯機や冷蔵庫、エアコンなどの白物家電を強化したい。安くて高品質な家電を市場に投入できれば大手への脅威にもなりますからね。リストラにあった大手の技術者が関西にあふれているとばかり、一気に乗り込んできたのでしょう。大阪駅前に商品開発拠点を開設し、人材層の強化に当たっています」(業界紙記者)

 これには関西の経済界も万々歳。生活保護受給者を多く抱える街に与える効果も、かなり大きいと見られている。また、新たな雇用が確保されることから、飲食店や販売店などからも期待が高まっている。
 業界では「韓国などに技術者が流出することを防ぎ、海外のライバル企業の成長を抑えることもできるのでは」(メーカー社員)との声まで上がっている。
 果たして、アイリスは家電業界の救世主となれるのか−−。仙台に本社を構える同社の“東北魂”を見せてほしい。

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