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電通が100人のリストラ募集の裏事情 アベノミクス上昇機運に冷水の危険度

 年明け早々、電通にリストラ旋風が吹き荒れている。
 いきなり早期退職募集が発表されたのだ。
 同社では6年ぶりのことで、募集人数は100人(社員数は電通単独で7500名)。1月7日から31日まで募り、退職日は3月31日としている。
 対象者には通常の退職金に加算退職金を上乗せして支給する他、再就職支援サービスを提供するという。

 電通は「決してリストラではなく、転職を希望する社員を支援するのが目的」と説明。たしかに'13年3月期中間決算('12年4〜9月)では、ロンドン五輪景気に沸いて業績は悪くはなかった。売上高は9210億円、経常利益が197億円、純利益も93億円と増収増益である。
 これではリストラをやる理由が見えない。

 広告業界ビッグ3では2010年にアサツーデイ・ケー(ADK)が早期退職者100人を募集したところ、定員を上まわる128人が応募した。博報堂DYHDは、早期退職者募集をおこなっていない。
 「業界の頂点に立つ電通がリストラに踏み切ったことで、景気が好転するという見方が怪しくなってきた。たしかに下期のテレビCMは前期比15〜20%ダウンして景気はいいとはいえない」(広告業界関係者)

 さらに、電通の一連の動きは海外の広告関連企業を次々に買収するから、との指摘も少なくない。昨年暮れには、米国の独立系PR会社『ミッチェル・コミュニケーション・グループ』を買収した。
 その前にも電通は大きな買い物をしている。昨夏、英広告代理店イージス社を邦貨にして4000億円で買収することを決めている。このときは業績を心配してか、電通の株式が2000円割れ直前まで下落した。こうした積極的な海外進出志向が背景にあるともいわれている。

 電通のリストラは、アベノミクスで上昇気流に乗っている株式市場に冷や水を浴びせたとの見方も多く、広告業界は予断を許さない状況が続く。

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