search
とじる
トップ > 社会 > 仕組まれた株高・円安“燻る火種” GW明け安倍・黒田バブル崩壊の恐怖(2)

仕組まれた株高・円安“燻る火種” GW明け安倍・黒田バブル崩壊の恐怖(2)

 アベノミクスの失速懸念が囁かれているのは、何もそれだけの理由ではない。
 ギリシャに端を発した金融危機はキプロスに飛び火。これがスペイン、イタリアなどに波及し、欧州各国を舐め尽くしかねない。そんな事態になれば世界同時恐慌が現実味を増す。足元の東アジアでは、引き続き尖閣問題で日中間に暗雲が漂っているし、北朝鮮からも目が離せない。
 もし不測の事態が発生し、戦禍が一気に拡大すれば、世界を震撼させて株価は大暴落する。たとえ5月危機が杞憂に終わるにせよ、6月以降にどんな修羅場が待っているかは誰にも分からない。言い換えれば、市場がはやすアベノミクスの前途は、実に危うい限りなのだ。

 リスクは国内にも渦巻いている。自信満々の黒田日銀総裁は「異次元の金融緩和」を唱え、国内外の投資家を仰天させた。しかし、その手法には危うさもはらんでいる。典型例が国債市場の7割を日銀が吸い上げるという“禁じ手”だ。
 長期金利は史上最低水準に押さえ込まれ、銀行や生保は国債で運用したのでは想定利回りが確保できなくなり、比較的利回りが良い外国債券や株式などのリスク資産を買うことになる。結果、銀行や生保が株式市場に大量の資金を回し、安倍首相と黒田総裁が仕掛けたバブル相場を一気にあおり立てる図式である。

 そんな安倍・黒田コンビのさもしい魂胆を見透かしたのが国際通貨基金(IMF)だ。
 4月半ばに公表した各国の財政状況に関する報告書で「安倍政権が打ち出した景気対策に伴う財政出動で、これまでの財政見通しが大きく悪化した」と指摘。公的債務残高約1000兆円は、国内総生産(GDP)比で245%にも達することから「先進国で最も財政健全化が必要」と、異例の警告を発した。要するに安倍政権が仕掛けた円安株高の“にわかバブル”政策は地に足が着いていないため「国家財政の破綻に直結しかねない」とのイエローカードを突きつけたのである。

 安倍首相はともかく、日銀の黒田総裁がIMFの意図を読み取らないわけがない。しかし、黒田総裁は頬かぶりを決め込んでいる。
 「世間が何と言おうと、アベノミクスは消費税率を引き上げるための手段にすぎません。だからこそ黒田さんは日銀総裁に指名された。それを承知の彼が『殿、ご乱心』などと口が裂けても言えるはずがない。そんな黒田総裁の胸中を推し量った面々が、景気調査で策を弄したところで誰も驚きません」(政府関係者)

 本来が官製バブルとはいえ、性懲りもなく再び宴に踊った大衆投資家の恨み節が聞こえてきそうだ。

社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグ