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「続投」で広がった? 原監督とナインの溝

 またしても、澤村拓一(23)の好投が報われなかった。中日との第15回戦(9月8日)は両軍無得点の“痛み分け”となったが、勝機を逃したのは原巨人の方かもしれない。

 試合後、報道陣の質問は「澤村」に集中した。原辰徳監督(53)は『10回無失点被安打2』という内容に、「非常に安定したものがありました」と頷いた。投手陣を預かる川口和久・投手総合コーチ(52)は「最高のピッチングをしてくれた」「(打線の援護に恵まれないので)かわいそう」と答えていた。
 澤村が好投しても、勝ち星に結びつかないのは説明するまでもないだろう。ここまで6勝11敗、防御率2・32(リーグ7位)。この日、3回を投げ終わった時点で「今季の規定投球回数144」に到達。12球団の新人のなかで一番乗りである。善戦する新人に「申し訳ない」との気持ちからだろう。巨人ナインの足取りにも重かった…。

 川口コーチはこうも話していた。「(澤村は)自分で考えているところがいい」−−。好投が勝ち星に繋がらない点を反省し、創意工夫を続けているという。そう言われてみれば、前回登板(9月2日)よりも投球テンポが早かった。捕手からの返球を受けるなり、すぐにサインの交換に入る。投球の間合いを短くすることで味方野手にも守りやすいリズムができる。
 この努力が報われる日もそう遠くないだろう。
 ネット裏の解説者の1人は「勝敗のポイントは8回表の巨人の攻撃だった」という。澤村の犠打失敗の場面を指して、こう首を傾げていた。
 「8回表、無死一塁で澤村に打順がまわってきたとき、代打を送るべきでした。だいたい、試合終盤に入った投手に犠打を決めろという方が無理。本人に自覚はなくても、投球の疲れで手首に力が入らないんです」
 延長12回裏、最後の守備。新クローザー・久保裕也(31)が得点圏の二塁に走者を出す窮地を招いている。
 原監督はマウンドに行き、久保と内野陣に二言三言伝えた。今季、原監督は投手コーチに差し置いてマウンドに行くことがあまりにも多い。巨人関係者によれば、「誰かを介すより、直接言った方が伝わると判断した」とのことだが、この場面での檄について批判的な解説者も多かった。わざわざ指揮官がマウンドに行くということは「一打サヨナラ負けのピンチ」をナインに植えつけ、むしろ逆効果だという。クローザーとして定着した久保に関しても、守っている野手は「監督に信頼されてないのかな?」と、疑心暗鬼になるそうだ。

 試合後、原監督は笑みを浮かべながら久保たちを出迎えた。「よくやった!」ということなのだろうが、引き上げてきた巨人ナインは疲れ切った表情を見せていた。渡辺恒雄会長は再び「他にいない」と口にしており(5日)、「監督交代はない」と見て、まず間違いないだろう。
 「この日は阿部を先発マスクから外し、代打出場だけでした。澤村との相性も問われています。でも、阿部がスタメンから外れた瞬間、巨人ナインにいつもと違う緊迫した空気が漂っていました」(球界関係者)
 逆転優勝の可能性はまだ残されている。負け試合でもないのに、巨人ベンチに流れるこの重苦しい空気は一体、何なんだ!? (スポーツライター・飯山満)

※原監督以下巨人関係者のコメントは共同通信社配信記事を参考にいたしました。

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