そもそも業績が悪化した原因には、家電エコポイントによる“テレビ特需”の反動や、地上デジタル放送へ移行でのプラズマテレビ等の売り上げ減、さらに最もパンチをくらったのが『アマゾン』など他のネット通販によるシェアの食い荒らしだった。
結果、'10年12月期に1759億円と過去最高の売り上げを記録してから後下落し始め、'11年12月期の売り上げは前年比13%減の1531億円と7期ぶりの減収だった。さらに'12年12月期の売り上げは、1170億円まで落ちたのだった。
「これで頭を抱えたのが、『ジャパネットたかた』と組み通販番組を流していたテレビ東京。そのため、『快適! ショッピングスタジオ』でテレ東は、『ジャパネットたかた』から商品を購入するなど“自腹”を切って支えていたのです」(関係者)
『ジャパネットたかた』の高田明社長は、従来のように家電に頼り過ぎた売り上げ構成では潰れる、という恐怖感を抱くようになった。そこで「'13年12月期で最高益を達成できなければ社長を辞める」とまで公言。'13年を「覚悟の年」と位置付けた上で、'13年度中に最高益を出さなければ同社の社長を辞任することを、インタビューや出演番組などで言い放っていた。
危機感は、'12年8月にスタジオ本拠地を長崎から東京へと移転させた動きにも表れている。六本木の泉タワーガーデン34階に“東京出撃拠点”を設け、地上波を除くテレビやインターネット向けの通販番組を制作。同年12月には最新スタジオも設けた。
扱う商品も、一ジャンル偏向型ではなく多種類を扱い、危険分散型の商品販売が功を奏したのだ。
高田社長には3人の子供がいるが、3年後に長男・旭人副社長(34)を後任に据えることも明らかにしている。
「東大卒の旭人副社長を早くトップに就かせたい。だからそういう発言が出たのです。旭人氏は'12年9月に専務から副社長に昇格しており、社長交代は業績が挽回した時期がちょうどいい。パーティーなどで旭人副社長の社長昇格を盛り上げることになるでしょう」(通販業界事情通)
旭人副社長は'13年初め頃からテレビに出始め、高田社長が出演する番組では“次期社長”として紹介されていた。来年はコールセンター1500名と従業員540名を統率する旭人体制を整える動きが加速しそうだ。