今年5月13日に、医療機関から美白化粧品使用によるまだら被害の指摘があり発覚。2週間後、カネボウ化粧品は調査を開始する。被害者数は8月になって増え続け、すでに1万人を突破。うち4分の1が重い症状だという。
この騒ぎはCMに出ている女優たちも巻き込んだ。“まだら美白商品”と認定された『ブランシール スペリア』に出ているのは知花くらら。また、他のブランドでも樋口可南子、小林聡美、藤原紀香、永作博美、松雪泰子、瀬戸朝香、北川景子ら大物が多く、事務所に与える影響も少なくないだろう。
親会社の花王では当初、今期('13年12月期)は年間売り上げ100億円、営業利益60億円の減少を見込んでいた。だが、被害者の急増からその規模では済まなくなった。
そこで、広告宣伝費の圧縮に動き出す。ちなみに、'13年度予算は670億円で月平均だと約56億円だが「今後3割削減する」(関係筋)方針だという。
そうなると営業的打撃を受けるのが、花王頼みのフジテレビ。日曜夜9時枠の1社単独提供がある他、スポットCMでは全体の2割を占める。
「3割削減はフジにとって痛いですよ。それでなくてもフジの業績はパッとしませんからね」(大手広告代理店関係者)
フジテレビ側でも「放送事業収入が4月以降も広告市況低迷に加え、視聴率の影響によりタイム・スポットともに前期を下回り、減収となりました」(第一四半期決算短信より)と業績不振をひきずっていることを認めている。
亀山千広新体制になってからも、視聴率の飛躍的向上もなく3位を抜け出していない。ましてや『半沢直樹』がヒットしているTBSに追い越されそうだ。
カネボウ騒動が、フジの経営的根幹を揺さぶる事態に発展しそうな状況である。