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FM波に異常 琵琶湖M7.8巨大地震3秒前現象(2)

 琵琶湖西岸断層帯の北部の最も新しい活動時期は約2800年前〜2400年前頃。一方、南部の最新活動時期は1185年の文治地震だった可能性があるという。
 「この近辺では1662年、京都から近江、若狭にかけて甚大な被害をもたらした寛文近江・若狭地震が発生したことがわかっている。この地震によって、近江では560人もの犠牲者を出し、京都でも二条城の石垣が崩れたり、町屋が倒壊して200人の死者が出ています。若狭では小浜城が損壊し、美浜町の海岸が隆起した。今で言えば、美浜原発から目と鼻の先です」(サイエンスライター)

 寛文近江・若狭地震は、若狭湾沿岸の日向断層と琵琶湖西岸の花折断層を含む三方・花折断層帯が連動して引き起こした地震と考えられている。一方、琵琶湖西岸断層帯は北部の場合、2000年以上もの間動いていないだけに不安だ。
 「今年1月に立命館大の熊谷道夫教授が発表した琵琶湖の最新調査結果によれば、湖底から発生していた気泡状の噴き出しが拡大していることがわかっています。この吹き出しは数年前から観測され始めた現象で、琵琶湖の地殻変動に誘発され発生したものだと推測されている。加えて、GPSの観測を解析した結果、この地殻変動に合わせて琵琶湖自体がこの11年間で東南方向に20センチ以上移動し、幅が最大で3センチ縮んだことも判明している。これらのことからも、断層が大きく動き出す可能性は十分あると考えられるのです」(同)

 琉球大理学部名誉教授の木村政昭氏も、琵琶湖付近で発生する巨大地震の可能性ついてこう語る。
 「琵琶湖も阪神淡路大震災の震源地である野島断層も、東北地方の日本海から能登半島を経て、瀬戸内海、九州、沖縄、さらに台湾へと延びる“日本列島構造線”の一部にあります。将来的に、この構造線付近で大きな地殻変動が起きても何ら不思議ではない状態なのです」

 もし発生すれば、近隣地域はどうなるのか。防災ジャーナリストの渡辺実氏が言う。
 「まず、琵琶湖は大阪府の水がめですから、そこがやられると飲料水の心配が出てきます。また、福井県は“原発銀座”といわれるほどですから、そちらの被害も懸念されます」

 冒頭の被害想定は、琵琶湖西岸断層帯の南部を震源として同断層帯北部も連動し、M7.8の地震が冬の深夜に発生した場合だ。大津市や高島市などを中心に最大で震度7クラスを観測し、最悪の場合、避難所生活を余儀なくされる被災者数も発生から1週間後が最も多い24万9534人、全壊建物は3万8504棟に上るという。
 最悪の場合といえど、果たして実際に発生したら、それだけの被害で済むのだろうか。今、南海トラフで起きるとされる地震よりも怖いのは、琵琶湖巨大地震なのかもしれない。

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