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頑張っても報われない?ヨシノブ巨人の助っ人事情

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高橋由伸

 勝てない理由は、「組織」にあるのではないだろうか。
 6月26日、広島対巨人8回戦、広島6点リードで迎えた6回表だった。巨人のニューフェイス、サムエル・アダメス投手(23)に代打を送らされた際、
「バッター、“アメダス”に代わりまして、中井」
 と、名前を間違えてアナウンスされる珍事が起きた。同日の巨人は大敗、高橋由伸監督(43)は途中、バッテリーを入れ換えるなどしたが、広島打線に大量14得点を許してしまった。だが、その名前を間違えられたアダメスを高評価する声も多く聞かれた。
「(4回裏)鈴木、松山に続けて打たれ、そのあと2者連続の四球。このまま崩れてしまうかと思ったけど、ちゃんと立ち直ってみせた。けっこう速いボールを投げるって聞いてたけど、マシソン、カミネロよりも計算できるんじゃないかな」

 関西方面で活動しているプロ野球解説者の言葉だ。
 アダメスは16日に育成選手から支配下登録されたばかりだ。来日3年目、150キロ台後半のストレートを投げる右腕で、米国でのキャリアは「ルーキーリーグで2年投げただけ」。将来性ということで巨人が育成選手で契約したのだが、今季は二軍ながらリリーフで19試合11セーブ(1勝1敗)と結果を残し、支配下登録と同時に一軍昇格も果たした。
 デビュー戦は24日のヤクルト戦。打者4人に対し、12球中8球がストレートという攻めのピッチングだった。ツーシームの変化球も投げたが、ヤクルトベンチは「フォーク?」と、その落差の大きさに驚いていた。四球が多いところからも分かる通り、制球に「難アリ」だが、活躍してくれそうなピッチャーである。

 アダメスについて、巨人OBに聞いてみた。
「若く、将来性のある外国人選手を獲得する構想も持っています。支配下にはマルティネスという内野手もいて、選手寮の地下が練習場になっているんだけど、毎晩のように遅くまで打撃練習をしていました。アダメスもリリーフに転向するにあたって、セットポジションやクイックを懸命に覚えようと努力していました」
「日本でチャンスを掴んで」という、ハングリー精神だろう。
「二軍で調整中のゲレーロがまもなく一軍復帰すると聞いています。そうなると、アダメスを二軍に落とすことになりそう」(スポーツ紙記者)
 一軍の試合に登録できる外国人選手数は、4人まで。推定年俸4億円のゲレーロにはもっと打ってもらわなければならないが、アダメスを降格させるのは、救援投手陣が不安定な今の巨人にとってはマイナスだ。

 「4人以上の外国人選手を抱える球団は少なくありません。育成を兼ねて獲得した外国人選手が二軍でどれくらい成長しているのか、一軍選手になりうる状況なのかどうかをしっかり見極めないと…」(前出・プロ野球解説者)
 間違いアナウンスがされた26日、広島のバティスタもダメ押しの2ランアーチを放っている。バティスタも育成出身である。広島という球団は、成長した選手は必ず使う。そのチーム編成組織の差が、同日の得点にも表れていた。(スポーツライター・飯山満)

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