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加藤健一が語る、ロナルド・ハーウッドの世界

 映画『戦場のピアニスト』でロマン・ポランスキーと共にオスカーの栄冠を勝ち取った、イギリスの有名脚本家・ロナルド・ハーウッド。今回そんなロナルドの戯曲『コラボレーション』を、日本で初めて上演する事になった加藤健一事務所。同事務所代表でこの作品の主演、プロデューサーでもある加藤が、ロナルド・ハーウッド作品の魅力について語った。

○作品について
 『コラボレーション』は、1931年頃のナチスが台頭していたドイツが舞台のドラマです。主人公が作曲家と作家で、実際にあった話なのですが、翻訳を読んでみたら瞬く間にその世界観に引き込まれて、すぐにでもやろうと思いました。僕が演じるドイツ人作曲家リヒャルト・シュトラウスは、ユダヤ人作家シュテファン・ツヴァイクとオペラ「無口な女」を作り上げるのですが、当時の芸術家達はユダヤ人の作品にかかわる事で迫害を受けてしまうんです。不幸な歴史を背景に翻弄された人々を描く作品なのですが、作者のロナルド・ハーウッドの力で強いエンターテインメント性を感じますし、それ以上にストーリーがとても素晴しいんです!

○作者について
 作者のロナルド・ハーウッドは『戦場のピアニスト』の他、脚本家として映画『コレラの時代の愛』や『潜水服は蝶の夢を見る』『オーストラリア』などたくさんの作品を手がけ、世界的に舞台や映画の脚本作品で高く評価されています。『コラボレーション』も含みますが、戦時下のアーティストの生き方をとりあげた作品を多く書いています。ちなみにシェークスピア劇団の老座長と、付き人(ドレッサー)との確執と葛藤を描いた作品『ドレッサー』の1988年の日本公演のキャストは三國連太郎さんと僕でした。現在も執筆活動を続けるロナルド・ハーウッドは、僕にとって思い入れの強い脚本家でもあるわけです。

○今回の公演について
 今回は作曲家の役なので、ピアノを弾くシーンと歌うシーンが少しだけあります。やはり歌や演奏はセリフを言うよりも緊張します。ミュージカルでは無いので少しだけなのですが。いままで本多劇場の公演が続いてましたが、今回は、新宿の紀伊國屋ホールでの上演です。僕は若い頃つかこうへい事務所の芝居で何年も紀伊國屋ホールの舞台に立ってたんですよ。懐かしいな〜。ツヴァイク役の福井貴一さん(ストレートプレイの他、ミュージカルの舞台でも活躍。近年ドイツ留学経験も。)とは15年ぶりの共演なので、こちらも懐かしく、どんな舞台に仕上がるか楽しみです。映画『戦場のピアニスト』を見て感動した人、戦争を知らない世代の人、もちろん知っている人、すべての人に見てもらいたい舞台です。

『コラボレーション』加藤健一事務所
2011年2月19日(土)〜27日(日)
新宿・紀伊國屋ホール
作:ロナルド・ハーウッド
訳:小田島恒志 小田島則子
演出:鵜山仁
出演:加藤健一、福井貴一、加藤忍、塩田朋子(文学座)、加藤義宗、河内喜一朗(Studio Life)

<お問い合わせ>加藤健一事務所
<HP>http://homepage2.nifty.com/katoken/ (インターネット予約可)

撮影:石川純

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