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インタビューでのフジ日枝会長 「素晴らしい経営者」を強調

 期待はずれのインタビューとは、このことではなかろうか。
 月刊『文藝春秋』10月号に掲載された『TV界のドン 日枝久会長インタビュー フジテレビはなぜダメになったのか』である。インタビュアーは森功氏(ノンフィクションライター)。

 視聴率不振の背景、社長に亀山千広氏を選んだ理由、ライブドア事件の顛末、安倍晋三政権との関係などが質問内容。肝心の韓流寄りの影響については触れていない。条件付きの取材だったのかもしれない。
 視聴率首位から4位に転落しても責任はとらず「会長」として君臨する日枝氏。保有株式数は1800株程度で、なぜそうした“人事”が可能なのか。それについて、日枝会長はこう示唆している。
 〈『あの野郎、長くいやがって』という声も聞こえてきますし、実際、長いといえば長い〉
 〈『長すぎる』『まだ経営基盤ができていない』という両方の声がありますが、そのどちらが正しいかを判断するのは僕です〉

 こう答えた後の日枝会長に対し、突っ込み、たたみかけの質問はなかった。たとえば、重要ポイントである視聴率低迷の詳しい分析や理由、会長として辞任するタイミングとはどういう時か、などである。残念というしかない。
 そして、質問は安倍政権との関係に移っていく。結局は、安倍首相とのゴルフ談議にはぐらかされてしまっていた。

 結論を急げば、自分が正しいと考えたらいくらでも続投する、という考えらしい。まるでフジ・メディア・ホールディングスは自分の会社、とでも言いたげである。
 〈経営判断基準は単に視聴率だけではありません。総合的な売り上げと利益です。六千三百億円ある連結売上げが来年は六千四百億円になる予定です。他社に比べ二千億円以上上回ると思います〉
 要するに日枝会長は、自分がいかに素晴らしい経営者であるかを印象づけたインタビューだった。

 今後も、老獪な会長の言動には注目である。

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