こう語るのは気象予報士の高橋大介氏だ。
年明け早々、日本列島各地が大雪に見舞われている。強い冬型の気圧配置と寒気の影響で日本海側を中心に雪が降り続き、ついには太平洋側の平地、京都市でも1月3日に20センチを超える積雪を観測。これは61年ぶりのことだ。
「12月上旬の大雪では、北日本などで窓を突き破り雪が部屋の中に雪崩れ込む“雪津波”による事故も起きましたが、北日本に限らず昨年は山梨県甲府でも発生している。台風並みに発達した爆弾低気圧による災害は今後も予想されます」(サイエンスライター)
昨年2月上旬〜中旬、“10年に1度”とされる強烈な寒波が日本列島に流れ込み、甲信越から東北太平洋側を中心に大雪となり、7日〜9日に東京でも45年ぶりのドカ雪になった。さらにその1週間後にも、南岸低気圧の影響で関東甲信地方を中心に観測史上最大の積雪が観測されている。
今回の冬はどうか。当初、ペルー沖の海面水温が上昇して発生するエルニーニョ現象により暖冬と予報されていたが、昨年暮れに“ほぼ平年並み”と見直された。
「水温が高いエリアは太平洋の中央でペルー沖は低いため、エルニーニョの影響は限定的。さらに12月から東シベリアに高気圧が張り出し、シベリア上空の偏西風が日本付近にまで大きく蛇行している。そのため、北海道から九州まで太平洋側でも雪が降りやすい状況になったのです」(前出・サイエンスライター)
長期予報によれば、2〜3月にかけて西日本太平洋側では平年に比べ晴れの日が少なく、沖縄・奄美も低気圧の影響を受けやすいという。これは何を意味するのか。高橋氏が続ける。
「もし寒気が流れ込んだ場合、低気圧が猛烈に発達する可能性があるということ。その影響で関東地方で雪が降る可能性が十分にあるのです」
ドカ雪被害はこれからが本番のようだ。