「岩田社長は昨年秋の9月中間決算発表の記者会見で『(年末商戦の)結果に責任を持つ。今は進退を言う時期ではない』と言い切った。詰め腹辞任を期待する連中に対し、一矢報いることを心に期したはずだ」
と任天堂OBは指摘する。中間期の営業赤字は4期連続とはいえ、前年同期の232億円に対し、2億円の赤字にとどまって業績回復に手応えをつかんだためだ。
任天堂は今年3月期、Wii Uの世界販売を前期比32%増の360万台にする計画を掲げているが、全体の3割を占めるとされる国内販売はたったの42万台(4月〜12月)。この実績を見る限り、同社が掲げる目標は未達に終わる公算が大きい。また、もう一つの主力『ニンテンドー3DS』にしても、年末商戦では14%減の155万台にとどまった。
前出のOBが続ける。
「家庭用ゲーム市場が6年連続で縮小する中、かたくなにスマホへのゲーム提供を拒む岩田社長は昔気質というのか、もはや“賞味期限切れ”と言っていい」
思い返せば岩田社長は'13年1月の決算説明会で'14年3月期の営業利益1000億円達成をぶち上げ「これはコミットメント(公約)」と発言した過去がある。ところが見事な営業赤字に陥ると「辞めると言った覚えはない」と開き直り、株主や社員、OBの猛反発を買った。だからこそ年末商戦の惨敗に市場関係者は「いよいよ年貢の納め時」と冷たい視線を送るのだ。
任天堂のファンからは「岩田社長はもともと天才プログラマー。面白いゲームを作ってくれればいい」との声も聞かれる。なるほど、餅は餅屋ということか。