吉岡氏はテレビ事業担当などを経て'09年に副社長に就任。ハワード・ストリンガーCEO会長(当時)の下で“四銃士”と呼ばれ、社長レースでは大本命だった平井氏の対抗馬に目されたこともあった。
「彼はソニーの本流というべきエレクトロニクス部門の経歴が長い。ところがストリンガーさんの強力な後ろ盾で社長に就いた平井さんは音楽畑を歩き、その後ゲームなどのソフト事業を統括した。ソニー伝統の物づくり精神から見れば傍流ですが、一方で本流のエレキ不振から、今やソニーは『第2のシャープ』とまで陰口される始末。これに危機感を募らせた平井社長がソフト路線に大きく舵を切ったことから、本流畑のエースだった吉岡副社長に引導を渡した図式なのです」(情報筋)
折しも大手格付け会社、フィッチ・レーティングスがソニーを「投機的水準」まで格下げした。ソニーウオッチャーは冷ややかだ。
「ソニーは11月末に新株予約権付社債(転換社債)を発行して市場から1500億円を調達した。この中にはオリンパスへの出資金500億円が含まれていますが、出資決定の段階でソニーは『資産売却などで賄える。外部からの調達は必要ない』と豪語していた。言い換えればソニーの屋台骨は、もうガタガタに揺らいでいる。それを見抜いたから格付け会社が警戒信号を発しているのです」
ソニー本流消滅のカウントダウンが始まる!?