6月28日の夕刊紙、及び翌29日の朝刊で、ベイスターズに関する『奇妙な記事』が掲載されていた。ランドルフ解雇、リーチ再来日の2つだ。どちらも事実関係を伝えるだけの“ペラ記事”だが、チーム補強のお粗末ぶりを露呈している。
前者のランドルフだが、同投手は2年契約を終了した昨季をもって、いったんは「戦力外」を通告されている。だが、チーム不振や新外国人投手の故障などがあり、4月に再入団が決まった。球団幹部は「予定していたレベルまで上がって来ない」と“再解雇”の理由を語っていたが、首脳陣は再契約前、入団テストを行っている。その時点で通用しないことを見抜けなかった方が問題である。
「新加入のリーチの再来日が決まったから、ランドルフを解雇したんじゃないですかね? リーチはキャンプで見たけど、けっこう良いスライダーを投げていましたよ」(在阪球団職員)
また、こんな情報も聞かれた。
「ランドルフが通用しそうにないのは、テストをした時点で分かっていました。他にいなかったから…」(球界関係者)
もし本当なら、こちらも問題だと思うが…。
リーチは震災を名目に帰国していた。ランドルフとリーチは左投手である。横浜は左投手を欲しており、ランドルフとの再契約はリーチの“職場放棄”に焦った結果だと思われる。結果論だが、横浜の補強は首を傾げたくなるものばかりだった。左腕・山本省吾をトレード獲得するにあたって、放出したのは寺原隼人、高宮和也の両投手(喜田剛も獲得)。その約1カ月前にもやはりオリックスと「桑原、野中×一輝」の交換トレードを成立させている。楽天からは金銭トレードで渡辺直人を獲得。キャンプイン直前には坂元弥太郎を放出し、昨季防御率7.71(16試合)の左腕・大沼幸二も獲った。
環境を変えて蘇ったベテランは大勢いるが、復活したのはオリックスの寺原の方である。喜田、一輝の両内野手の獲得は二塁手・カスティーヨの退団に慌てたのかもしれない。
「今だから言えますが、昨年オフ、楽天は渡辺を放出要員とし、各球団に投手補強のトレードを持ち掛けていたんです」(前出・在阪球団職員)
当然、その情報は横浜にも入っていたはずだ。その渡辺の活躍は大きいが、喜田、一輝の獲得は内野の戦力を重複させただけである。
シーズンに入ってからは中村ノリを獲得した。ノリは横浜に馴染もうと必死だ。しかし、ノリが本調子を取り戻せば、今度はハーパーがベンチスタートになる。チーム内にライバルを置くことも必要だが、こうしたチグハグな補強を見せられると、やはり「大丈夫かよ!?」と聞きたくなってくる…。
「寺原の復活は本当に悔しかったようですね。祖気の話を振ると、尾花監督も不機嫌になるし」(関係者)
横浜の選手は危機意識を持ち、真剣に戦っている。その点は強調しておきたいが、本当に改革が必要なのはフロントの方ではないだろうか。