「外国の要人と天皇陛下が会見する場合、一か月前に申請すべし」という取り決めがあるのだが、今回鳩山内閣のゴリ押しで崩され、習近平国家副主席と天皇陛下の会見が急遽設定された。
過去を振り返ってみれば、98年に胡錦濤国家主席(当時は副主席)が来日した時に、天皇陛下と会見している。将来トップを目指す習近平国家副主席としては、自らの実力を内外に誇示するため、どうしても組み込みたかったのが会見スケジュールであった。この習近平国家副主席の要望を実現することで、民主党は中国政府に恩を売ったのである。
この動きに対し、羽毛田信吾・宮内庁長官が強い不快感を表明し、この表明に対し、民主党の小沢一郎が反論するという泥仕合になってしまった。世論においても、「民主党・小沢一郎の暴論である」とか「官僚の融通の利かない対応だ」とか、激論が交わされており、混沌とした様相を呈しているが、この問題は一筋縄ではいかない。
実は、この「外国の要人と天皇陛下が会見する場合、一か月前に申請すべし」という取り決めを設定したのは、細川内閣であり鳩山由紀夫が在籍していた「新党・さきがけ」も政権与党であった。言い換えれば、鳩山由紀夫が設定したルールを、自分で破ったということである。
さらに、今回習近平国家副主席と天皇陛下の会見を鳩山内閣に強く要望してきたのは、鳩山と親しい自民党勢力であると噂されている。しかも、鳩山首相の周辺では、秘書に責任をとらすことで幕引きを図った献金問題が新たな火種から再燃するという未確認情報が飛び交っており、母親から送られた五億円以外にも裏金の存在が噂されている。
この状況を踏まえ、民主党の小沢一郎を支持する若手グループが鳩山内閣に退陣を迫っているというのだ。いよいよ、小沢総理の実現する日が来たのだろうか。
(和田大輔 山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou