search
とじる
トップ > 社会 > 永田町血風録 小沢氏立てながら総選挙にらむ民主党

永田町血風録 小沢氏立てながら総選挙にらむ民主党

 民主党の政策決定機関「次の内閣(NC)」は、このほど「緊急経済対策」という政府の平成21年度第1次補正予算案の対案となる案を持ち寄った会合を開いた。

 その席上で代表・小沢一郎は「国民の生活を豊かにすることが日本経済をよくすることになる。わが党の施策を実行すれば、可処分所得の2割程度の増加を実現できる」と訴えた。
 とくに経済対策に力を入れる姿勢をアピールしている民主党。小沢は7日、都内の料理店で中堅議員と会食して、こうも愚痴をこぼした。
 「自民党には6月の衆院選が有利だろう。だが、麻生(太郎=首相)さんがどう解散について認識しているかわからない。なかなかすぐには解散は難しいな…」と。
 その一方で民主党は、やはり早期に解散に追い込みたいとする動きは執行部に根強い。その一例が国対委員長・山岡賢次の「ただ自民党は、民主党のアイデアを政府も含めて経済対策としているのはパクリだ」のように自民党も政府も民主党のアイデアを「ちょっと失礼」という具合にパクリ続けているのは事実。
 「補正案が審議入りすると見られる5月の連休明けが大きな闘い。4月から臨戦態勢だ」(民主党国対委員長・山岡賢次)

 民主党が補正予算案を争点化するのは、それへの民主党の対応次第で、衆院を解散するというような趣旨を3月末に麻生の首相としての発言があったからだ。
 これを受けて民主党を中心にした野党は、「政権交代が最大の景気対策。首相は抵抗する口実をくれた」とする野党の幹部。ただ「抵抗しても首相は解散しないのではないか」(民主党幹部)との疑念は残る。景気悪化のこの時期、やたらと審議の引き延ばしには世論の反発もある。
 そんな中、民主党幹事長・鳩山由紀夫は都内の集会に顔を出して、西松建設がらみの代表・小沢の進退に関連して、「大変厳しい世論が出ている。このままでは政権交代ができるかどうか、際どい状況になった」と述べ、あわよくば小沢に取って代わって、党の代表でもなろうか、といったようなニュアンスの言葉を鳩山は吐いている。
 各種の世論調査で民主党の支持率が低下していることを踏まえ、小沢を代表から降ろすことが政権交代をしやすくするとは考えにくい。今はあくまでも小沢を前面に押し立てて、粘り腰で反転攻勢をかけたいようだが、鳩山を含めた民主党の幹部たちは、あくまでも「(西松問題で)手負いですから…」とは言いながらも、やはり心の奥深くには衆院の「解散・総選挙」という文字に手を合わせている。
 そんな状況を感じながら自民党も政府も、今は民主党の動向にことのほか神経をとがらせているのが実際のところである。(文中敬称略)

関連記事


社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグ