「日本の安倍首相は南京大虐殺記念館で、30万人の被害者を前に頭を下げろ!」
こう意気込む中国人は少なくない。
「これまで客室に南京大虐殺に関する記述がある元谷外志雄(藤誠志)アパグループ代表の本が置かれていることを批判されたことはありません。アパは“人身御供”にされたわけです」(中国情勢に詳しいジャーナリスト)
一昨年、ユネスコは中国が申請していた旧日本軍による『南京大虐殺』を世界記憶遺産に登録した。実は中国政府は昨秋から、これらの関連資料を展示する“海外ツアー”を始めている。
「そこで催されるのが、米国人宣教師マギーや南京大学の米国人教授ベイツ、シーメンス社南京支社長だったドイツ人ラーベなどの事実証言です。これらは『伝聞』にすぎませんが、彼らに言わせることで客観性を持たせようとしているのです。正に“反日キャンペーン”のえげつないシナリオと言わざるをえません」(同)
翻って、今回のアパの件の“火元”は『Kat&Sid』を名乗る米国人女性と中国人男性のカップル。中国人ではない女性に告発させることに、まんまと成功したわけだ。
南京事件は、慰安婦と並ぶ“日本人=セックス・スレイブ”という中韓がタッグを組んだ反日キャンペーンの目玉だ。そんな中、中国系移民が集中するカナダ東部オンタリオ州議会が「南京大虐殺記念日」制定の法案を可決、成立させようとしている。
「慰安婦問題と全く同じ構図です。例えば米国での慰安婦像は、韓国系アメリカ人の有権者が中国系と組んで議会を動かして建てていますが、オンタリオ州でも韓国系議員が『日本軍は南京でレイプした。10歳以下の子供を虐殺した』という捏造証言を挙げて、この法案に賛意を表明しています」(在米日本人記者)
慰安婦も南京事件も日本人の自称リベラリストがまいた種だ。だから事件を否定すると、河村たかし名古屋市長のように日本人有識者からも集中砲火を浴びる。
まかれた種は刈り取るには遅きに失し、もうすでに巨木になってしまった。
近年叫ばれる「歴史戦」はまさにロジックによる戦争だ。一個の歴史的事件に“真実”と“捏造”が重なり合う。