−−全日本に再入団したきっかけは。
「去年の12月(7日のパンクラス・ディファ有明大会)の試合に負けちゃって、格闘技を延長するのか、プロレスするのかで迷ってた。プロレスをやるんだったら武藤さんのところと決めていたので、(武藤さんに)『格闘技に区切りをつけようと思ってる』って話をしたら『ウチでやるか』と声をかけられたので」
−−3月から5月までカナダのTNAアカデミーで修行してきたが。
「スコット(・ダモール)さんのおばあちゃんのアパートで寝泊りしてました。午前中は昼前ぐらいから雷陣(明)さんと走って。夕方からはレスリング教室が月、水、木。土日がインディーのプロレスの試合でした」
−−食生活はどうだった。
「道場に2003年のミスターアメリカになったボディー・ビルダーがいたので、体を大きくするためにプロテインを入れて1日8食はとってましたね。単純にチキンをゆでてブロッコリーを入れてとか、最低でも6食は食べてました」
−−印象に残っている試合は。
「スポーツバーみたいなところなんですけど、すごい小さくて、更衣室も無い。座席のほとんどがグッズ売り場になっていて、Tシャツとかポートレートが並べられてたり。VIPルームみたいな机のところではサブゥーさんがサイン会をやってました。そこで『来週(WWEの)レッスルマニアだから試合しろ』って言われて。着替える場所も隅っこで入場テーマ曲もなく、通った道を戻って入場しました」
−−観客はどんな感じ。
「お客さんも酔っ払ってるから、バッチンバッチン叩かれて。1面に2列で15人くらいですかね。建物の端っこにリングがあるから2面は使えない。天井も低くてかろうじてネックブリーカーができるくらい。でも勝ちましたよ」
−−新型インフルエンザは大丈夫だったか。
「あれは衝撃ですよね。僕の住んでたところから1時間ぐらいの場所に語学留学してた子たちが日本に帰って来て、一発目の感染者となった。だけど、カナダ人はみんなマスクをしていない。(感染が)確認された次の日、その街で試合しちゃいました(苦笑)」
−−大丈夫ですか?
「オレも感染してるんじゃないかと思いましたよ。でもいたって健康です」
−−カルチャーショックはなかったのか。
「前にタイにも行ったことあるし、オーストラリア、中国にも行ったし。異国は文化が違うからこうなんだろうなって。慣れたもんですね」
−−今後対戦してみたい相手は。
「もうちょっとプロレスのレベルを上げてから、諏訪魔ともう一回やりたい。今すぐやっても(5・30愛知県体育館大会での一騎打ちと)同じか、ちょっとしか変わらないと思う」
−−総合格闘家時代には本紙で元大相撲横綱の曙選手と対戦したいと語っていたが。
「戦わなくても組んでもいいですよ。元スパーリングパートナーなんで。でも、もし横綱(曙)が組まないと言うのなら、僕は対戦したいです」
−−今後の目標は。
「ボクにとっての“武藤敬司”になる。小学校の時、初めて(武藤の悪の化身である)グレート・ムタを見て興味をもって、それからプロレスを見るようになった。人生にかなりの影響を及ぼした人。自分も(見た人がプロレスに興味を持つ)何かのとっかかりになれば」
◎総合格闘技+プロレスの新必殺技開発
シリーズ最終戦となる金沢大会で、「格闘技、プロレスをやってきて初めてのタイトルマッチ」に挑む河野。5月に復帰後、2シリーズ目でのタイトル挑戦に「最初聞いたときは、『何でオレが』って戸惑ってた」という。
それでも「チャンスをもらったのはラッキー。一生懸命やってモノにしよう。やりたくても(挑戦)できない人がいるんだから」と気持ちを切り替えた。
すでにタイトル奪取への対策も万全。「向こうは(ボクを)狙ってくると思う。でも、ボコボコにやられてもやられても返していく」とゾンビのごとく立ち上がり、相手を追い詰めていくつもりだ。
さらに現在もプロレスと並行し、総合格闘技の練習も続けている。“極めの殺し屋”長谷川秀彦(SKアブソリュート)の指導を受けることによって「だれも知らないような足技をプロレスに取り入れたい」と秘策も練っているようだ。
現在、世界ジュニア以外のベルト(三冠ヘビー、世界タッグ、アジアタッグ)をGURENTAIに独占されてしまっている本隊。“秘密兵器”河野が政権奪回のキーマンとなる。