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安倍首相、小池都知事がなんぼやねん! 芸人・西川のりお 吠える「大阪人の本音」(1)

 日本にカジノなんかまだまだ先の話やと思ってたら、カジノ法案がアッという間に成立。なんや話がえらい具体的になってきてます。これまでは掛け声ばかりやったけど、これからは誘致合戦が本格化するでしょう。そやけど、カジノなんか作って、ほんまに雇用が生まれて景気がよくなるんでしょうかね。

 ほんまのカジノをよう知ってる人間には否定的な意見の人が多いと聞いてますが、実は私もその1人。こう見えても、ラスベガスやったら道案内できまっせ。マカオは目ぇつぶってても歩けます。そんな私に言わせれば、今、いろんなところから出てる日本のカジノの青写真は、どれもこれも危なっかしいもんばっかり。

 そもそも、カジノ誘致の旗を振っている賛成派、推進派の人らに、今の世界のカジノの現状をどのくらい分かっているんでしょう。

 日本にカジノ・リゾートを作るにあたっての問題点をマジメに考えたら、そらようけありまっせ。まず集客。カジノを作ろうという人がアテにしてるのは、言わずと知れた外国人観光客。年々増え続けるインバウンドの需要に対応するためにもカジノ・リゾートが必要ということなんですけど、ちょっと待った。

 本家本元のラスベガスは別にして、推進派の先生方が絶賛するシンガポールやマカオ、ベトナムのカジノ、これらが今、どんな状態か知ってますか? どこも客が減ってるんですよ。理由はただ一つ。外国人観光客がカジノに行かなくなったからです。

 これまでカジノに行く外国人言うたら、主に中国人のいわゆる富裕層。その富裕層と、次にカネ持ってる一般層が、バブルが弾けてカネを使えなくなり、カジノに行かなくなった。マカオでもシンガポールでもベトナムでも、ちょっと前までは、あれだけ幅を利かせていた中国人に勢いがありません。

 では、カジノに行かなくなったインバウンドがどこに行くようになったか。その行く先が日本やったんです。ギャンブルよりも手軽なレジャー。カネのかかるカジノ・リゾートにはよう行かんけど、日本に買い物ぐらいやったら行ける。中国人のカネの使い方のスケールが小さなったんですね。それが日本に中国人観光客が増えた理由の一つやと思います。

 推進派は今、よそがそういう状態やと知ってんのに夢みたいなこと言うて欺しにかかっている。後追いでカジノ作ったところで、外国人は思ったようには来ません。早い段階で廃墟になってしまうことは目に見えてますよ。

 外国人が期待できないのなら、日本人に遊んでもらおう、という考えもあります。でも、どんなカジノを作るのかは知りませんが、海外のカジノをそのまま持ってきてもうまくいかないと思います。統合リゾートやったら、最初はブームでみんな何回かは行くやろけど、定着するかどうかは疑問です。

 日本にカジノ作っても仕方がない理由は、他にもあります。外国のカジノには歴史的、地域的必然性があって、そっから始まっているということ。

 今でこそカジノは富裕層の社交場みたいなこと言われてますが、そんなことないんです。ラスベガスは開拓民の、マカオは漁民の娯楽というように、娯楽が何もないところから始まっています。そういう歴史と成り立ちを何も知らんと、形だけ真似してもうまくいくはずがありません。カジノの必然性が、景気回復のためやとしたら、それは国としてちょっと情けない。そう思うのは私だけでしょうか。

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