政治部記者がこう語る。
「騒動が再燃したのは、11月5日の『国家安全保障特別委員会』。民主党の近藤洋介議員が、『総理が8km先の私邸から官邸通いするのは危機管理上問題』と指摘したのです。ただこれはもっともな話。安倍内閣は非常時に、総理、官房長官、防衛相、外務相が緊急会談できることをキモとした『国家安全保障会議』を来年発足させようと躍起。ところが、官邸から徒歩6分圏内の議員宿舎に住む3者と違い、安倍総理だけが車で30分もかかる私邸に住み続けているからなのです」
しかも、この質問に菅義偉官房長官が回答。「私邸からでも、オートバイで15分以内に官邸移動できるよう万全の体制を整えている」とあ然とする答弁をしたために、今では「そこまでして公邸住まいを嫌う理由は何か?」との疑惑が永田町に渦巻いているのである。
「過去に憶測として流れたのは、『公邸に出る幽霊話』や『持病の潰瘍性大腸炎の治療』『愛犬の世話』というものだった。中でも幽霊話は今では国会でも揶揄されるほどだが、いずれについても官邸は明確な答弁を避けている。そのため、さらに話が過熱し始めているのです」(自民党関係者)
もっとも、総理の「公邸嫌い」には、別の理由が存在するようなのだ。
語るのは本誌が直撃した公安関係者だ。
「実は、公邸には民主党政権時代に極左スタッフが政権中枢に入り込み、大量の盗聴器が仕掛けられたとの話があるのです。最近、ドイツのメルケル首相が携帯電話をCIAに盗聴されていたと騒ぎになったが、菅直人内閣時代には官邸で話した内容が中国や韓国筋にダダ漏れ。そのため、総理は公邸入りを拒否しているといわれているのです」
この関係者によれば、公邸は、「サイバーテロの舞台としても中国や北朝鮮に狙われている」という。これが事実なら、“右舵全開”の安倍総理の危機管理は、相当なもの!?