琵琶湖といえば、湖底全域から大規模な泥土と熱水の異常噴出が続いており、近い将来、大規模な地殻変動があるのではないかと心配されている。それがここへ来て“FM波”でも証明されたというのだ。
まずは、なぜFM波で地震の発生と震源地が判明できるのか。日本のFM放送局の電波を受信し波形を記録、それを元に地震予知を長年研究している八ヶ岳南麓天文台代表・串田嘉男氏に聞いた。
「地震が起きる前に地面に圧力がかかり岩盤が割れるため、静電気が発生する。FM波は通常真っ直ぐに通るため、電波が届かない場所があるのですが、震源地の上で静電気が影響すると屈折して、普段届かないところまで届く。つまりFM波が屈折している下が震源地になるのです。'08年頃からFM波が乱れていることを考えれば、次に来ると予測されるのは琵琶湖を中心とした近畿地方で、規模はM7.8±0.3。時期については今後も観測しなければ何とも言えませんが、8月上旬にFM波の変動が消えた場合は、今年11月8日±1〜2日と思われます」
串田氏によると、阪神淡路大震災の際もこうした現象が発生したという。
武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏もこう語る。
「琵琶湖には、琵琶湖西岸断層帯という活断層帯が存在します。この断層帯全体が活動すると大きな地震が発生すると考えられます」
国の地震調査研究推進本部によると、「琵琶湖西岸断層帯が動いた場合、M7.8程度の地震が発生すると推定される。また、その時、断層近くの地表面では西側が東側に対して相対的に約3〜5メートル程度高まる段差や撓みが生ずる可能性がある」としている。
ちなみに同本部によれば、この断層帯で30年以内にM7.8地震が発生する確率は0.09〜9%('03年時点)。阪神淡路大震災を引き起こした野島断層の30年発生確率が0.4〜8%だったことを考えると、不気味さを感じざるを得ない。
琵琶湖は約400万年前、三重県伊賀市辺りの地殻変動によって生まれたとされ、その後、太平洋側から日本列島の下へ潜り続けるフィリピン海プレートによって、約100〜40万年前に現在の位置に移動したと考えられている。