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800メートルから80メートルに大幅縮小した道頓堀プール化計画のチグハグ

 実現自体が疑問視されていた大阪ミナミの“道頓堀プール化計画”に、ここへ来てようやく動きが見えたが、その経緯を探ると地元のチグハグ感が否めない。

 この話が立ち上がったのは'12年。当時の大阪府市統合本部特別顧問の堺屋太一氏の発案に地元企業や商店会が呼応し、“周辺施設と一体となったまったく新しい地産文化”を創造すべく、プールプロジェクトがスタートした。
 「計画によれば、道頓堀川に全長800メートルの箱をプールとして浮かべるというものだった。しかし、その後は具体的な話も進捗状況もほとんど伝わらないまま、最近では市民の間でもほぼ興味がなくなっている状態。それがここへ来て突如、道頓堀開削400年にあたる来年8月の1カ月間のみ、戎橋周辺で80メートルの長さで実施されるという情報が一部報道で伝えられたのです」(地元記者)

 当初の計画に比べ、かなりの縮小ぶりだが、この報道には裏がある。
 「今回出たプランは、プールの企画運営にあたる『道頓堀プールサイドアベニュー』の発表ではない。計画が具体化しない地元の動きに業を煮やした大阪市関係者がリークしたようです。道頓堀プールは民間事業とはいえ大阪市のイチ押し。橋下市長にしてみれば、堺屋さんに恥をかかせられないという面もある」(同)

 『道頓堀プールサイドアベニュー』の広報担当者に聞くと、やはり以下の回答が返ってきた。
 「現在、詳細を詰めている段階で、まだ正式発表はできません」

 手間取っている原因は、やはり地元の利害調整のようだ。
 「本気で新たな観光資源を狙うなら原案通りに大型プールを、という意見と、小さくても賑わい程度になればという意見が対立し、地元はバラバラ。しかもプールとなると、定期運行している観光クルーズ船との兼ね合いも出てくる。更衣室や休憩所も含め、川沿いにどこまでプールサイドの雰囲気を作り出せるかという点も煮詰まってない」(地元飲食店関係者)

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