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話題の1冊 著者インタビュー トキタセイジ 「『闇金ウシジマくん』モデルが語る路地裏拝金エレジー」 蒼竜社 1100円(本体価格)

 −−“ヤミ金”の世界へ足を踏み入れた、そもそものきっかけは何ですか?

 トキタ 専門学校を辞めて職を転々としていたころに、中堅どころの消費者金融に入ってね。配属された支店を入社数カ月で、ワースト2からトップ2にまで押し上げたことがあったんです。塩漬けになっているような債権を掘り起こして、自分でどんどん回収してね。

 −−やってみたら、貸金業への適性があったと。

 トキタ そうですね。ただ自分には“組織”ってものがどうにも性に合わなくてね(笑)。周りも「表より裏の方が稼げますよ」なんて言ってくるし、だったらいっそ、自分の身一つでやってみるのも悪くはないのかな、と。で、求人誌で偶然見つけた、とある高利貸しで、何店舗かを任されるまでに経験を積んで、そこから独立したんです。

 −−月並みな言い方になりますが、そういった高利貸し=ヤミ金が“悪事”であるという認識は?

 トキタ そこはもちろん、ありましたよ。けど、こっちは、どんな客に対しても支払い能力を超える金額を、いきなり借りさせるようなことはしてないし、「ヨソより金利は高いですよ」ってことも事前にしっかり説明してる。コソコソ隠れてやるつもりなら、わざわざ自分の名義で事務所を借りたりはしませんよ。

 −−金利が法外なこと以外はまっとうだったと?

 トキタ まっとうかどうかは他人が決めることだけど、電話一本あれば事足りるところにわざわざ店舗まで構えたのは、相手の顔を見ながら商売がしたいと思ったから。自分の中では客の一人一人と真剣に向き合ってきたつもりです。
 警察に駆け込めば済むと思っている客も多い中で、それをさせないだけの信頼関係を築くためには、表だろうと裏だろうと、相応の努力と労力は必要不可欠だったってことですよ。

 −−すでに引退された立場からは、昨今の情勢をどうご覧になってますか?

 トキタ 法律が厳しくなって以降、僕らのような高利貸しは激減したけど、一方ではそれまで金貸しだったやつが“オレオレ詐欺”をはじめとした、違う悪事に流れているっていう側面もある。暴力団にしてもそうだけど、どんなに上っ面をキレイにしたところで、本当の意味での問題の解決にはつながらない気がします。
 いい悪いは別としても、今回の本にも書いたような寄る辺なき連中にとっては、ヤミ金こそが最後の砦。だとしたら、何より先にそれに代わる選択肢を作ってやるのが、お上の仕事だと思うんですけどね。
(聞き手:御厨マモル)

トキタセイジ 
1971年、東京都生まれ。専門学校を中退後、某消費者金融に就職。その後、独立して高利貸しを営む。現在は貸金業から引退し、企業顧問をはじめ、さまざまな事業を展開中。

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