その一つは無論、惨敗を喫した第三極政党に蔓延しだした“消滅危機”だ。前出の生活関係者がこう語る。
「小沢氏が注目しているのは、日本維新の会の分裂だ。同党では責任論が噴出し、望むと望まないとにかかわらず、今後、石原慎太郎率いる旧太陽の党と橋下徹率いる旧大阪維新の会の分裂が加速化するはず。また、民主も同様だが、こちらは単独では戦えないとの風潮が蔓延。海江田万里代表、細野豪志幹事長、原口一博議員などの小沢シンパがオリーブの木構想を模索し始める可能性が高い。小沢氏はみんなの党も含めたこれらと連携。第三極を離党する議員らを吸収する新党の設立をも視野に入れているとみられているのです」
また、二つ目の理由は次なる衆院選の日程が激変しそうな状況にあるためといわれている。
「次の衆院選は任期満了なら3年半後とみられているが、実は選挙の根幹をなす、一票の格差を違憲・無効とする上告審の判断が、年内にも最高裁大法廷で申し渡されるのです。この裁判は高裁でも、16件中14件が違憲判決となっているだけに、厳しい判断が予想される。無効となった場合は、衆院選が来年早々にも行われる可能性が出てくるのです」(選挙アナリスト)
つまり、早ければ半年先にも解散総選挙が行われかねない状況で、そのため小沢氏は野党結集を俄然急ぎ始めているのだ。
もっとも、気になるのはその先行きだが、果たして同氏が仕掛ける野党連合に勝算はあるのか?
その内幕を別の生活の関係者がこう明かす。
「実は、小沢氏は結集の要である維新の会の橋下氏に、選挙中にも秋波を送っていたのです。橋下氏が投票日直前の街頭演説で『(参院選後)民主党、みんなの党、日本維新の会の一部の改革勢力が必ず一つにまとまっていく』と有権者に訴えたのはそのためで、早ければ選挙後早々にも2人の会談が実現するとみられている。行き場を失った民主党が、その後この動きに乗じる可能性も高いのです」
永田町関係者の中には「もしも野党連合が実現すれば、慰安婦発言で泥まみれの橋下では旗振り役は無理。小沢が取りまとめ役に就任する」との見方もある。秋の政局は、この小沢氏の“復活劇”が功を奏するかが見モノといえる。