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ルチャの女王に君臨したシンデレラガール・HIROKAに迫る

 今から4年半前、単身メキシコに渡り、CMLL世界女子王者にまで駆け足で上り詰めた現代のシンデレラガール、それがHIROKAだ。女子プロレスを活性化させるヒロインをクローズアップする。

 HIROKAはLLPW所属の若手選手だったが、特に目立った活躍もないまま逃げるようにしてメキシコ入り。実のところ、LLPWを離脱するための口実がメキシコ行きで、そのままプロレスを辞めるつもりでいたのだ。
 だが運命のいたずらかHIROKAにはルチャリブレの水が合っていた。日本での実績がないのも好都合で、すんなりとルチャのスタイルを学べたのだ。そしてメキシコ入りしてから、たった1年3カ月後には世界王座を戴冠してしまった。
 その意味では自らの実力とその強運でメキシカン・ドリームをつかんだといえよう。HIROKAが王座を獲得した相手は師でありライバルとなったマルセラだった。その恩義に応えるために07年1月の凱旋では日本サイドに交渉し、マルセラを帯同する機会に恵まれたのだ。
 「ルチャが何もわからずに悩んでいたころ、マルセラが“私には思いっきりかかって来なさい!”と叱咤してくれてふっ切れましたね」
 王者となってからはレディ・アパッチェとの抗争に突入した。髪切りマッチに快勝するなど、06年6月〜12月までの在位期間に13連続防衛に成功。その年のMVP的な大活躍をしたのだ。

 王座転落後は日本から定住した先輩の下田美馬と日本人タッグを結成。メキシコシティだけではなく、各地でもてはやされ、CMLLは世界女子タッグ王座新設へと動いたが、残念ながらベルトに絡むチャンスをつかむまでに至らなかった。
 私生活ではミゼットの世界王者にもなったペケーニョ・ダミアン666と2年の交際を経て、昨年結婚。熱愛カップルはアレナ・メヒコからほど近い場所に家を構えた。さらに将来に備え、近くに店舗を開くための土地も購入。まだ28歳の若さながら、したたかな根性で将来設計は万全である。
 現在は下田とのタッグを解消して、プリンセサ・ブランカ&プリンセサ・スヘイとトリオを結成。その名もラ・ソラス(女狐軍団)といい、おそろいのユニークなコスチュームを着て、9月27日のアレナ・コリセオ大会で初陣を飾った。
 「ブランカはセクシーさを強調したかったみたいですが、私にそれを求めても無理ですよ(笑)。このメンバー構成はブランカのアイディアなんです。でもこの世界はジェラシーが強くて、足の引っ張り合いも多いから、それならと、私がところてん式に押し出したいと思っているんですよ」
 さらにHIROKAは「本当は産休を視野に入れていたんですが、ある企画を頂き検討中です」と次なる展開に思索をめぐらす。
 今年の6月には最大の理解者だった父親が他界し、意気消沈したが、それを乗り越えることができたのは、メキシコで単身奮闘しながら身についた内面の強さがあった。
 HIROKAはブル中野、北斗晶、吉田万里子らCMLL世界女子の歴代日本人王者とは違い、団体のバックアップがないにもかかわらず、メキシコで最も成功した日本人ルチャドーラである。

◎現在のメキシコ女子の実情
 現在のCMLLの女子はルーダ(ヒール)全盛となっている。世界王者のアマポーラはもう2年以上もタイトルを死守し、伝統のナショナル王者はプリンセサ・スヘイが保持。ブランカにHIROKAとプリンセサ・スヘイを加えたトリオ「ラ・ソラス」が始動したばかりだ。
 一方のテクニカ(正統派)はベテランのレディ・アパッチェが健在ぶりを見せるが、そのオーラとカリスマ性は誰もかなわない。人気ナンバーワンはTNAの女子タッグ王者にも君臨するダーク・エンジェルだ。
 このところ日本からの遠征者も多く、8月には栗原あゆみ、9月は風香、現在は木村響子&江本敦子&中川ともかが滞在。ルチャの世界に可能性を求め模索中だ。

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