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自動車業界の宣伝費がV字回復 要因は円安とハイブリッド車

 テレビ局の景気指標ともいえる、自動車メーカーの'13年3月期連結決算における年間宣伝費が明らかになった。
 円安、アベノミクス効果もあり、トヨタ、本田技研などは大幅に増額していたことがわかった。

 自動車メーカーの売り上げは、'08年9月のリーマン・ショックにともなう世界同時不況の影響で、急激に落ち込んだ。同様に広告宣伝費の支出も減少傾向をたどってきた。
 減少は'12年3月期あたりまで続いたが、'13年3月期あたりで“V字回復”している。

 ビッグ3をみてみると、トップは相変わらずトヨタで594億円、前期比166億円増である('12年3月期は前期比71億円減)。
 「円安が続いたことで利益幅がかなり膨らんだ。トヨタの場合、1円安くなると300億円が利益となる仕組み。ReBONのCMに加えハイブリッド『プリウス』の宣伝に力を入れ、想定以上に売れた。全世界での累計販売台数が、今年6月末までに300万台を突破。'97年12月の発売以来、15年6カ月での達成となる」(自動車メーカー関係者)

 2位は本田技研で481億円、約70億円増('12年3月期は前期比7億円減)。
 「ホンダはハイブリッド『インサイト』がトヨタ『プリウス』に販売面で引き離されていた。さらに、『プリウス』に続き2位につけているハイブリッド『フィット』の販売増も狙い、宣伝費を上乗せした」(前出・自動車メーカー関係者)

 3位は三菱自動車で302億円、65億円増('12年3月期は前期比35億円減)。
 円安の追い風に乗り純利益は同58.7%増の379億円と、決算面での余裕が宣伝費を増やしたとみていい。
 「全体的に販売好調で117万台をセールス、前期比18%増となった。とりわけ主力市場の東南アジアでは売れ行き好調が継続している」(自動車業界事情通)

 '14年3月期も、さらなる宣伝費上乗せは確実だ。
(編集長・黒川誠一)

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