10月18日、全日本スキー連盟は評議員会を開き役員を改選した。畑違いのスケート連盟会長でもある橋本聖子参院議員(51)が新理事に選ばれた。これには他のスポーツ連盟役員も驚いたが、サプライズはそれだけではなかった。
「皆川賢太郎(38)が新理事に選ばれました。良い人材に目を付けたと思います」(JOC関係者)
皆川は'06年、トリノ冬季五輪のアルペンスキー回転で4位に入賞したが、さほど有名ではない。「スキー・モーグルの上村愛子のダンナ」と言った方がピンと来るかもしれない。
その皆川はまだ現役で、しかも30代の理事は同連盟史上初。加えて飲食店を経営するなど事業家としての一面も持っている。
「皆川は第一線からは退きましたが、プロとして米国で活躍中です。通常、アスリートは一線を退くと経済的に苦しくなりますが、皆川は海外で賞金やギャラの出る大会がたくさんあることや、日本では考えられないようなスポンサー契約がとれるプロスキーヤーの実情を学び、今では外車を何台も所有するなど五輪選手時代よりもリッチ。大ケガを乗り越えたド根性もあるので、人望も高いんです」(スポーツメーカースタッフ)
ただ、スキーに限らず五輪選手は競技を続けるのに経済的苦労を重ねている。JOCも改善策を模索してきたが、解決には至っていない。皆川の理事就任にはそれらの問題の解決も期待されている。例えば、高梨沙羅(19)のような“有名選手頼み”のシステムそのものの見直しを迫られるかもしれない。
「欧州でスキーはメジャースポーツのため、企業スポンサーがゴマンといる。皆川はそういった仕組みを熟知していますからね」(同)
この改革が進めば、有名選手だけが厚遇される現状も改善できるだろう。皆川効果で、今季やや不振の高梨も大活躍間違いなし?