主婦や低年齢層を中心にブレイクの兆しを見せる新選組リアン。『本当に僕でいいんですか』のメロディも歌詞も悪く無い。一生懸命なだけであまり芸が無いのもご愛嬌だ。ゆとり世代やその親たちはむしろ「未熟」なものを好むので、ダンスやトークがおぼつかないメンバーを入れたのは彼らの“伸びしろ”を楽しんでもらうため。これが、島田紳助の見事なプロデュース力である。沖縄出身の山田親太朗が率いるグループ「サーターアンダギー」も脱力志向でのんびり。景気が落ち込む中、島田プロデュースの楽しい若者がテレビを明るくしてくれるならそれは、大歓迎だ。
それよりも最近気になるのが、島田紳助が自らの浮気や暴力を“ヤンチャ”と称し、正当化する事である。それが最もよく表れる番組が『行列のできる法律相談所』で、この番組では浮気の相談も多い。それに絡んで島田は自らの浮気が夫人にバレた時の事を自慢げに話したり、かと思えば、飲み物の入っているバケツに性器を入れて遊び、それを飲んだ人に怒られた話など、若い頃の“ヤンチャ”話を引き合いに、今の芸能界の品行方正ぶりをちゃかしている。それを見ると、非常に気分が悪くなる。
島田は過去に人気コメンテーターの女性マネージャーを叩いて謹慎させらてたり、昨年も若手芸人を恫喝したなど、時々乱暴な一面を表わす。しかし、その行為をした理由は話さず、騒動の真相はいつもうやむやだ。それなのに『行列のできる法律相談所』の中では、「若気の至りで失礼な振る舞いをした」などタレントに懺悔をさせ、「人を殴るには理由がある」といった弁明めいたアピールをしている。
折りしも、学習院小学校の男児の大暴れに、愛子さまが腹痛を起こす世の中、昔と違い“ヤンチャ”は笑って済まされない時代になっている。そんな中で「若手はもっとムチャしてもいい」などと、若いタレントにアンモラルを押し付ける島田紳助の姿は異様だ。彼の教えに従わないで、「新選組リアン」は人にやさしいタレントでいてほしい。