この煽りを喰らった代表格が、同地やマニラで大型カジノを運営する『メルコ・クラウン・エンターテインメント社』。第4四半期の売り上げは、なんと対前年比で2割減、約1332億円となり、マカオのカジノ関係者を真っ青にさせているというのである。
「マカオの業績悪化は、習政権の反汚職キャンペーンで、現地警察がカジノ周辺の規制強化に動いたことが原因。マカオカジノ業界の最大の儲けは中国富裕層相手のVIPカジノだが、その金持ち中国人がトバッチリを恐れて、渡航を見合わせているからなのです。日本への観光客は日中関係の悪化で一時激減したように、富裕層もバクチの最中に警察に踏み込まれ、反汚職政策のトバッチリに巻き込まれてはかなわないと、客が減り続けているのです」(現地のマスコミ関係者)
もっとも、この地盤沈下を横目に“怪気炎”を上げているのが、'20年開催予定の東京五輪までに開業が決まった日本のカジノ特区関係者らだという。ここにきて円安で中国人観光客の訪日数がうなぎ上りだが、カジノ特区に内定した大阪や横浜では、これらの取り込みを狙った計画が急浮上しているというのだ。
ゼネコン業者が言う。
「中国のカジノファンは、最近の円安事情から日本にも流れてきている。そのため、当然ながらこれを取り込む計画が浮上しているのです。中国人客にウケる芸者や温泉を楽しめる施設の建設計画が、大阪カジノに持ち上がっていますよ」
また、横浜カジノ界ではこんな話も飛び出している。
「春節時には、日本に渡航した中国人観光客の“爆買”が話題となったが、特区周辺には中国人富裕層目当てのリゾートマンションの建設も叫ばれ始めている。カジノをしに来る客を狙って、これを売りさばこうとの機運が高まっているのです」(神奈川のゼネコン業者)
とはいえ、2つの特区が完成するのはまだ先。取らぬ狸の皮算用とならなければいいのだが。