山下ふ頭を中心とした“YOKOHAMAカジノ”構想は、衆院選や法案廃案といった政治的な動きをよそに着々と進んでいる。「政治家は法案が成立しないと表舞台には出て来られない」(関係者)わけだが、横浜の財界人や有識者は、9月4日に第1回横浜市山下ふ頭開発基本計画検討委員会を開催。12月19日にも第2回が開かれた。
これはカジノ構想だけでなく、老朽化が進む横浜スタジアムを横浜ドームとして新たに建設する“横浜ドーム構想”までも含む壮大な都市計画の検討会。同会は横浜市長の諮問機関という位置付けであるため、みなとみらいエリアの今後に大きく影響を与えることから、菅官房長官や林文子横浜市長に接触を図る民間企業も急増しているという。
周辺では、すでに立ち退き交渉も始まっている。点在する倉庫業者がそのターゲットで、不動産業者が「ヒアリング」と称して近づき、土地買収交渉を行っている。
「法案が成立し、特定複合観光施設区域に指定された場合、地価が跳ね上がるのは間違いない。一部では“見切り発車”という指摘もあったが、今回の自民党圧勝で“見切り”が成功する可能性が高まった。東京オリンピックに合わせてカジノを開業するためには、その後のスケジュールを加味すると、2015年中に法案成立は当然のこと、具体的計画策定も必須。法案が成立した瞬間に、具体案が提示できる唯一のエリアが横浜なんですよ」(地元の不動産業者)
チャイナタウンにカジノリゾート−−。YOKOHAMAに魑魅魍魎が跋扈しそうだ。