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日産とホンダの“経営統合説”も机上の空論と言えぬ自動車業界

 三菱自動車の益子修会長が、病気療養を理由に退任した。益子氏が退任したことで、カルロス・ゴーン氏、西川廣人氏に続き、3社連合創設時のトップは誰もいなくなったことになる。

 3社連合の筆頭であるルノーは、2020年6月の中間期決算で赤字、日産、三菱も4月〜6月の4半期決算で赤字を計上した。一部では「負け組連合」などと揶揄する声も出始めているが、コロナ禍の逆風によって、表向きは手を取り合い、同じ方向に進み出したかのような3社である。

 しかし、すでに水面下では各メーカーとも、次なる提携相手を探り合っているようだ。8月半ばには「日本政府が日産とホンダの経営統合に向けた交渉を推し進めようとしていた」などの報道がなされ、両社ともに完全否定したが、日産がルノーと袂を分かつ可能性に現実味を持たせた。

 一方のルノーも、昨年にフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)との交渉が破談となり、その後、プジョーなどを傘下に持つPSAとの合併にも逃げられている。

「自動車産業は盤石と思われがちですが、ヒット車種の有無に業績が左右される水商売的な要素が強い。それを乗り越えるために、かつては同じメーンバンクのメーカー同士が、合併交渉に立つことがよくありました」(自動車業界関係者)

 ダイムラーとクライスラーの合併が、10年と持たずに失敗に終わったことで、規模を優先した合併に対するマイナスな見方が強まった。しかし、異なる企業文化を持ちながら手を取り合って成長したメーカーは、実のところたくさんある。

 日産、ホンダの合併話を「水と油の企業を結び付けようとした」という見立てがあるが、自動車業界においてはそんな奇跡のような合併も珍しくはないのだ。

 100年に一度といわれる変革期を乗り越えるために、各メーカーは生き残りをかけて提携先を探している。今後も続く自動車業界の群雄割拠は、皮肉にも「負け組連合」を巡って繰り広げられるのか? しばらく目が離せない。

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