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40代女性、救急車を呼ぶも保健所の連絡を勧められ対応遅れ死亡 女性の母が「3,4日前から発熱」と連絡

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画像はイメージです

 沖縄県浦添市で、40代女性が高熱を出して倒れていると通報を受けたにもかかわらず、消防職員が救急搬送の前に新型コロナウイルス感染を疑い、保健所への連絡を勧め、出動を20分遅らせる事案が発生。女性が1時間後に死亡し、対応に怒りの声が上がっている。

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 事案が発生したのは8月4日。40代女性の母から「娘が倒れている。3~4日前から38度台の熱がある」と119番通報が寄せられる。これを受けた浦添市消防本部司令課の男性係長は、容態の詳細を確認せず、保健所へ連絡するよう促したという。

 20分後、不手際に気がついた係長が折り返すと、女性はすでに意識を失っており、救急隊に出動要請。この間、女性は事実上放置されていたことになる。救急隊が駆けつけると、女性は心肺停止状態となっており、病院に搬送されたが、死亡が確認された。なお、新型コロナウイルスの抗原検査をしたところ、陰性だった。

 浦添市消防本部は5日に記者会見を開き、「担当者が患者の意識の有無など基本的な確認事項を怠った」「思い込みで女性が倒れているという緊急性の高い状況を見落とした」として謝罪。ただし、女性の死因と出動遅れの因果関係は「わからない」という。同本部は遺族にすでに謝罪したそうだ。

 緊急性の高い状況で救急隊を呼んだにもかかわらず、「コロナに感染しているかも」という理由で対応せず、電話を切る。救急車を呼んだにもかかわらず、放置された娘を死なせてしまった母の気持ちは、察するに余りある。

 それだけに、「この対応はない」「なんのための救急車なのか。沖縄県は県民を救うつもりがないのか」「怖いのはわかるけど、たとえコロナに感染していたとしても、防護服などを着て救急搬送はするべきだ」「県が対策を放置している。知事の責任だ」と厳しい声が上がる。

 一方で、「最近はいたずらもある。緊急性が高いと思うような話し方じゃなかったのかもしれない」「このご時世を考えると、仕方のない対応」「発熱患者だし、身構えるのは当然」などの擁護も少数ながら寄せられる。

 また、「今後こういう事案が増えそう」「熱があるというだけで救急搬送を断る病院もあると聞く。熱の状況は言わない方がいいかもしれない」という指摘や、「一生懸命やっている人たちもいるので、全員がそうだとは思わないでほしい」「真摯に対応している人もいる」と擁護の声も出た。

 新型コロナウイルスの明確な治療薬がない状況で、最も感染リスクが高い医療関係者。そんな中、発熱患者を避けたい理由は理解できなくもないが、緊急性の高い患者を放置するような対応を取ることは、見殺しにしたと言われても致し方ない。今後このような事案が増えないよう、国や自治体が対策を講じるべきだ。

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