この持続化給付金は、新型コロナウイルスの影響で、前年同月比で事業収入が50%以上減った法人に最大200万円、個人に最大100万円が支給される制度。そこに目をつけ「書類が通れば100万円」「給付金はもらわなければ損」とばかりに申請を持ち掛け、高額の手数料を要求するというものだ。
受給資格がないサラリーマンや無職の人間をそそのかし、個人事業者であるかのように偽装させ、不正受給を持ち掛けるという詐欺事犯も多く、摘発される事例も出ている。
その実態について、大阪在住の自称・経営コンサルタントがこう語る。
「自営の事業者や個人に向けた支援制度は、適用が多岐にわたっており、その申請の仕方も複雑です。なので、自分に受給資格があることや、受給資格が得られそうなことを知らない人がいる。そんな人の申請を手伝って、成功報酬でお礼をもらう。これは立派なビジネスですよ」
ネットで調べると、確かに“代行申請”という文字が並んでいる。手数料は成功報酬で2割から高いもので5割。前出のコンサルタントは「給付金の申請そのものには、税金関係を操作しない限り特別な資格は必要ないので、法律的にはなんら問題ない」という。
しかし、給付金制度の本質を考えれば、問題が多いことは間違いない。国民のための制度が食い物にされているのだ。
「現在は申請が多いので、書類さえ整っていればOKのようですが、いずれ事態が落ち着けば規制が強化され、審査もより厳格になるでしょう」(税理士)
だが、代行業者は「それまでが勝負」とうそぶく。このような有様には、中小企業庁をはじめとする関係官庁も関心を強めており、「詐欺まがいの勧誘の拒絶」と「実態に即した申請の徹底」を呼び掛けている。