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多発する茨城周辺地震は首都直下に直結する!

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提供:週刊実話

 首都直下地震のカウントダウンが始まったようである。昨年暮れ、茨城県下で震度4の地震が続いたと思ったら、年明け早々の1月14日、またも茨城、栃木、群馬、埼玉県などで震度4の地震が発生した。震源地は茨城県南部で震源の深さは約50㎞、マグニチュードは5.0。同日、茨城県沖を震源とする震度3、M4.9の地震も起きている。深さは同じく50㎞だった。

 武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏が言う。

「首都圏直下には太平洋プレートとフィリピン海プレートの2つのプレートが入り込んでおり、フィリピン海プレートは千葉県を通って茨城県南部まで延びている。先頃発生した震度4クラスの地震もフィリピン海プレートが起こしたものだと思いますね」

 東日本大震災から9年。約1000年前の東日本大震災である貞観地震(869年)発生後に起きた首都直下地震の相模・武蔵地震(878年)は現代でいうと、今年起きる計算になる。何しろ、東日本大震災によって、地下深くの基盤岩は5メートル東にずれたとされる。それは貞観地震の時代も同じ事態が予測されるわけで、首都直下地震がそう遠い先ではないことは容易に推察されるのだ。

「繰り返すかどうかは分かりませんが、首都直下地震が今年起きる可能性は非常に高いと思いますね。今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されるが、地震に慣れていない人が海外から大勢やってくるので、なんとか大会期間中は回避するよう祈るような気持ちでいるところです」(島村氏)

 幸いにも、茨城の地震は震源の深さが50㎞と比較的深かったため、震度4クラスの中規模地震で済んだ。もし震源が10㎞〜20㎞と浅かったら、大きな被害をもたらしただろう。

「茨城南部の地震は首都直下につながる地震です。正確に言うと、茨城県南部より少し東寄りの所で、太平洋プレートとフィリピン海プレートは衝突している。場合によっては震度6〜7を記録し、首都圏は壊滅的な被害になりうるわけです」(担当記者)

 ちなみに、首都直下地震はいつごろ発生するのか。気になるのは東京五輪・パラリンピック開催間中に重なるかどうかだ。

 9世紀以降、M6.5以上の首都直下地震(南関東直下地震)は30回以上起きているが、これに気象庁が記録を開始した1922年以降の首都直下地震を加えると、9月が最多の8回、7月が5回、8月4回。島村氏が祈るような気持ちで東京五輪・パラリンピックを回避してくれと念じているのも、そのためだ。

 琉球大学理学部名誉教授の木村政昭氏が指摘する。

「私が主張する地震の目は、伊豆・小笠原沖です。今年中に巨大地震があっても不思議ではない兆候を示しています。もし地震が発生すれば、本州の太平洋側一帯、特に西日本を襲う津波が非常に心配です。国は南海トラフ地震ばかりを指摘している。もちろん、南海トラフにも注意は必要ですが、伊豆・小笠原沖で起きる巨大地震を警戒した方がいいと思いますね」

 昨年から伊豆沖でも震度4クラスが続いているので心配だ。その不安を証明するかのように、測量学の世界的権威であり、「MEGA地震予測」を主宰する村井俊治・東京大学名誉教授は「伊豆諸島にある電子基準点・青ヶ島の(2019年)11月10日から16日までの上下変動が81センチを記録。これは、東日本大震災前年の2010年12月26日〜31日の青ヶ島の基準点で観測された76センチを大きく超える異常変動」と発表しているのだ。

「太平洋プレートのプレッシャーは相当厳しい。それを一番受けているのが東北地方と伊豆・小笠原地域です。昨年暮れ、青森県東方沖で震度5弱、岩手県で震度3の地震などがあったが、まだまだ油断できないと思います。それに加えて伊豆・小笠原沖です」(木村氏)

 伊豆・小笠原沖での巨大地震は、本州、たとえば東京での揺れは「震度5程度」と木村氏は推測する。

「津波は東京湾といえども、容赦なく入ってくると思われます。沿岸に住む人は注意が必要です」(同)

 いずれにせよ、首都直下ではないにしても、震度5クラスの大地震が東京の街を襲うというのである。津波被害ということになれば、南海トラフと同様の大きな被害が予想される。

 では、専門家はいざという時に備えて、どのような準備をしているのか。防災ジャーナリストの渡辺実氏が言う。
「私の場合、事務所兼自宅になっていますから、考えられることはすべてやってあります。こういう仕事をやっていて“被災してダメージを受けた”ではシャレにならないからね。問題は電気の備蓄でした。私はマイカーをEV車に替えて、電気の備蓄に備えた。EV車は1500ワット出せるので、これなら準備万端でしょう」

「私は家の中でも、厚手のスリッパを用意したり、仕事先から歩いて帰宅する練習をしています」(島村氏)
 阪神・淡路大震災(1995年1月17日)から25年。小誌の取材時、渡辺氏は同大震災の講演に出掛ける途中だった。

「こういう機会がない限り、いくら警鐘を鳴らしても、人間は地震に備えない。オリンピックは人間が決めたことだが、それとは関係なく地震は発生する。講演会では地震対策の大切さを語ってきますよ」(渡辺氏)

 備えあれば憂いなし。専門家は首都直下地震に対処している。

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