もちろん、ネッシーの姿は写真だけではない。当時から動画にも収められていたのだ。
それが1960年に撮影されたティム・ディンスデール・フィルムである。
ネッシーの噂を聞きつけた彼はネス湖で調査と観測を続けたところ、フォイヤー川河口付近にて激しく水が動いているのを目撃。双眼鏡で見てみると、水面下に長く黒い影が蠢いているように見えたため、慌ててカメラを回したのだという。
現在でも確認できる動画には、確かに手前から奥の方に向かって泳いでいく黒い物体が確認できる。果たしてこれは、本当にネッシーを捉えたものだったのだろうか!?
実は、この動画は当時から懐疑的な見方の方が強かった。本人も「約900メートル離れていた」と証言しているが、当時のカメラでは追い切れないほど物体が遠い位置に存在しており、不鮮明で細部を確認しづらいのだ。そこで現在では、この動画に映っていた物体は現代で言うモーターボートに近い船だったのではないかと見られている。
有名な「外科医の写真」は現在では模型を用いたトリック写真と判明しているが、今でもネッシーと言えばこの写真の姿が思い出されるほどにポピュラーなものとなっている。もしそこに映っているものがトリックや何かの誤認であったとしても、未確認生物に関する資料としての地位は揺るがないのだ。その写真や動画をもとに未確認生物の存在を検証を行ったという事実がある限り。
【ネッシー最古の動画】
ティム・ディンスデール・フィルム
https://www.youtube.com/watch?v=pVOyo-OwDYM