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ニセ募金活動へ詐欺の判決…「子どもたちへの寄付」を騙り2500万円騙し取った男

 虚偽のボランティア活動で金が集められていても、善意で募金をした人は相手を疑うことがないため、まさか自分が被害者になっていると思わない。もし、ニセ募金で騙されたことがわかったとしても、寄付した金額が数百円ということも多く、わざわざ警察にまで足を運んで被害届を出す人も少ない。それゆえ、これまでニセのボランティア活動は、野放しともいえる状況だった。
 
 2004年大阪市の街頭で「難病になっている子どもたちへの寄付」を募るよう、求人情報などで雇ったアルバイトたちに、横井清一被告は嘘の内容で指示を出し、多数の人から2500万円ほどを騙し取った。その判決が先月19日、最高裁判所で言い渡された。

 この裁判の争点は、「被害者、被害金額などの個別の内容が特定されていなくても、詐欺罪に問うことができるのか」というものであった。これに対して、最高裁判所は「被害者や被害金額が個別に特定できなくても、詐欺罪は成立する」という判断を示し、一審、二審の判決の通り、横井被告に対して懲役5年、罰金200万円の実刑を下した。

 いまだに、ニセのボランティア活動で、ハンカチ、靴下、化学雑巾などを売る活動は行われている。その際、物は買わないけれど、募金だけしたいという人たちからは、金だけを集めている。こうしたニセ募金の実態は広く知られていても、被害者が不特定多数にわたり被害届が出されないため、捜査のメスが十分に入ることもなかった。今回の判決により、こうした野放しになっていた詐欺的なボランティア活動に対しての大きな抑止力になることは間違いない。

(多田文明)

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