山梨医科大名誉教授の田村康二氏が語る。
「日本にいつ上陸するか騒がれていますが、私はまずアフリカと関係が深い中国で感染者が出るのではないかと考えています。ご存知のように、中国の衛生事情は非常に劣悪で、地方に行けば医療事情も悪い。患者が発生すれば瞬く間に感染が拡大するのではないでしょうか。さらに日本への飛び火も心配されます」
西アフリカに住む中国人は2万人ともいわれる。中国政府がアフリカ諸国に対し盛んにODA(政府開発援助)を行っているからだ。それを考えれば、田村氏が指摘するようにエボラに感染した中国人が帰国し、ウイルスを持ち込む可能性は十分に考えられる。
それもあって、北京市の市衛生・計画出産委員会は10月28日、西アフリカからの帰国者に対し最長潜伏期間の21日間、自宅待機を勧めると発表した。その内容によれば、帰国者のうちエボラ患者との接触歴がある人は1日2回、21日間の体温測定を続け、発熱があった場合は病院に隔離するという。しかし、実際にこれで感染拡大が防げるのだろうか。
「彼らは鳥インフルが世界的な関心事になっている時も、家庭で鳥を捌いて食べるのは当たり前だった。しかも、ろくに手も洗わない。仮にエボラ熱の患者が発生しても、関心を払わない人は結構いると思います」(外信部記者)
中国への感染が広まれば、次はいよいよ日本だ。