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蝶野正洋の黒の履歴書 ★“芸能界を騒がせる“薬物問題”

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提供:週刊実話

 芸能人が覚せい剤といった違法薬物で逮捕される事件が続いてるな。

 最近の報道では、薬物依存症は「止められない」「治らない」という流れになってるけど、だったらなんでそんな危険なモノが簡単に手に入るんだよ。報道を聞いてると、けっこう簡単にその辺で売買してるようだし、まずその状況が問題だと思う。本来は、なぜそんなに薬物が流通しているのかを突き止めて、取り締まりをしている管轄の責任を問うべきだよ。

 社会に薬物が蔓延するのを簡単に止められないんだったら、依存症の人を社会に戻さない方がいいと思う。施設の中で仕事なり、社会活動なりをやっていくしかないだろ。

 特に有名人なんて、謹慎明けで社会復帰しても、悪い奴らが「仲間だ」と思って近づいて、また薬物の世界に引き込んでしまう。一般人に比べて誘惑の度合いが強いんだから、そこはちゃんと線引きしてあげてほしいし、それ以前に定期的に検査するとかもしたほうがいいね。

 例えば、スポーツ選手のドーピング検査は抜き打ちでやるんだよ。大会に出ると決まった選手は24時間監視されていて、合宿中の朝なんかに、突然、検査官がやってきて、監視されながら尿を採らなくちゃいけない。スポーツの世界ではそれぐらい厳しくやってるんだから、芸能界でも同程度のことはしてもいいんじゃないかな。

 プロレスの世界で薬物というと、ステロイドだよね。いわゆる筋肉増強剤というやつで、打ってるとすごく筋肉がつく。でも、車でいったら排気量1000㏄なのに、バルブとマフラーを2000㏄にして、無理やりエンジンを回すようなものだから、体への負担が大きくなって、40代でも心臓発作とかで亡くなるケースが多い。

ステロイド使用で命を削る米レスラー

 マサ(斎藤)さんも言ってたけど、ステロイドは、前回の東京五輪ぐらいから米ソでは使われていて、それを一般人でも早く取り入れたのがシュワルツェネッガー世代のボディービルダー。1970年代ぐらいから市販で出てきて、当たり前のように使うようになった。

 80年代になると、その危険性も分かってきて禁止されるんだけど、アメリカのプロレスラーの間では盛んに使われてた。その頃は、いまと価値観も違ってて、「ステロイドを使って、命削ってでもやる」というプロ意識がたたえられたようなこともあったみたいだね。でも、悪いものだという意識もあるから、精神的なところで負担がかかって、身も心もおかしくなる。

 日本には、ステロイドがほとんど入ってこなかったから、やってるヤツは少なかったし、そんなモノをやるやつはまともじゃないっていう精神があった。

 いまとなってはこの考え方が主流で、スポーツの世界では薬物を抜いた人たちのフェアな戦いになってきている。逆に練習方法とかをしっかり研究してきた日本人がトップクラスに並ぶようになってきている。

 世間では解禁論や、法律改正とかで騒いでるけど、そもそも薬物やってもいいことなんかないことを、一人一人に心から納得させていくのが大事だと思うよ。

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蝶野正洋
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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