「全世界を見ても、記録的な大寒波や温暖化によるスーパー台風が観測されており、“地球が氷河期に突入した”と指摘する専門家もいますが、私は地球規模の温暖化が進んでいるのは間違いないと思っています。アジア、オーストラリア、中近東、アメリカなど局所的な異常低温は、偏西風のジェット気流が蛇行しているためなのです」(ジャーナリスト・村上和巳氏)
温暖化によって北極海の氷が解け、海氷面積が縮小すると、海水が太陽の熱を吸収しやすくなり、温まった海が大気に熱を放出、上空の気圧が上がる。それによって、偏西風がスカンジナビア半島付近で北側に押し上げられ、その反動でシベリアから南側に蛇行。局所的に寒気がもたらされるというのである。
「偏西風蛇行の影響で、極東、アメリカ東部、ヨーロッパ中央部の3カ所に寒気が落ちる寒波を『3波型』寒波と言いますが、今ニューヨークで吹き荒れている吹雪はこの3波型です」
とはサイエンスライター。結果、これまで冬でもそれほど寒くなかった日本付近やアメリカ東部、ヨーロッパが寒冷化し、極寒地域のカスピ海、アラスカ、グリーンランド付近が高温となっている。つまり日本の場合、夏はスーパー台風、冬は猛烈な寒波が続くというのだ。
「温暖化で怖いのは、気象が複雑化して、これまでの気象のロジックが通用しなくなったことです。例えば夏の台風の場合、8月は太平洋高気圧が日本付近に張り出しているため日本に上陸することはなかったが、気象条件で太平洋高気圧がやや衰えた時と台風の発生が重なると北上して上陸する。さらに小規模な台風が連続して上陸し、地盤が緩んだところへ、さらに大型台風が来て土砂災害を巻き起こすことも考えられる」(前出・村上氏)
日本がどんどん住みづらくなっていく。