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「時代」を彩った男と女・あの人は今 元阪神ランデイ・バースさん

 チームが低迷、シーズン途中から阪神に入団したブラゼル(元西武)が活躍すると、「バースの再来」という大見出しが、翌日の関西のスポーツ紙1面に躍る。「史上最強の助っ人」と言われるランディ・バース氏は、今でも背番号44を付けた縦じまのユニホーム姿のまま、阪神ファンの中で生き続けている。

 今年3月10日、24年ぶりにあのカーネル・サンダースが道頓堀で発見された。85年、24年ぶりの阪神優勝に沸き立ったファンが、狂喜してバースに似たケンタッキーフライドチキンのカーネル・サンダース人形を道頓堀に投げ入れてから行方不明。今年24年ぶりに引き揚げられた。
 その一件で現在は米国で民主党のオクラホマ州上院議員を務めるバース氏の元まで、米テレビ局が取材に押し寄せた際には「信じられない。僕のことを知ったら、驚くだろう。議員になったんだから。(サンダース人形には)お前のせいで投げ込まれたというかもしれない」と語った。
 引退してから故郷のオクラホマに戻って牧場を経営していたが、度々それ以後も来日している。プロ野球マスターズリーグの「大阪ロマンズ」、サントリーの「モルツ球団」などで懐かしのユニホーム姿を披露。昨年8月28日の阪神VS中日(甲子園)でも始球式とテレビ解説を行い、オールドファンを喜ばせるなど、バース人気は依然衰えない。

 1度だけ監督候補に名前が挙がったこともある。オリックスが近鉄を吸収合併してオリックス・バファローズ球団が誕生したとき。最終的には仰木彬監督(故人)が就任したが、この際もバース人気を改めて思い起こさせた。
 メジャーでは通算本塁打わずか8本だったバース。85、86年に日本で2年連続三冠王を獲得したジャパニーズ・ドリームがあったからこそ、いまオクラホマ州上院議員なのだろう。

◎史上最強の助っ人名前登録の裏話
 「史上最強の助っ人」の称号とともにバースの名前は永遠に忘れられないだろう。だが、実は「バース」というのは登録名で、実際の名前は「バス」が正しい発音だという。本社の阪神電鉄がバスも走らせており、打撃不振の時は「バスエンコ」「バス大渋滞」などと、茶化されるのを恐れた球団側が「バース」という名前で登録した裏話が伝えられている。大正解だった。「バース」には力強さがあるが、「バス」ではピンとこなかっただろう。長嶋第1次政権の75年に巨人にやってきた元メジャーリーガーのデーブ・ジョンソンが大不振だった際、スポーツ紙からいっせいに「ジョン損」とかき立てられたことがあったが、もしもバースが「バス」だったら、同じ目にあっていたかもしれない。

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